2009年08月

2009年08月09日

回顧 ROCK IN JAPAN FES 2009

暑いだけでなく、熱い夏が、また、やってきた。

という『官僚たちの夏』の一節を、先週末の夏フェスに行ってふと思い出しました。四年前は三日間・四人で行ったのに対し、今回は二日間(初日・二日目)・三人ということで、ちょっとコンパクトになったわけですが、天気にも恵まれ四年前と同じように楽しい思い出となりました。

相変わらずどの辺りが“ロック”フェスなんだと思う部分もあるわけですが、音楽に包まれた心地いい空間があるということそのものが素晴らしいことなのだと思います。どこかしらのステージで聴きたいアーティストがやっていて、前に行きたい時は前に、後ろでゆっくり聴きたい時は後ろで、気分に任せて音楽を聴ける。(また一緒に行った友人がmixiに書いていましたが)Perfumeから岡林信康まで幅広く見られるのは、それはそれでいいことなのでしょう。全体として大満足で、前回よりも満足度は高いかもしれません。フジなど他のフェスにも行ってみたいのですが、友人がつくばにいる間は通いたいと思います。



<初日>

10:30~ Perfume [GRASS STAGE]

1. edge(?-mix)
2. ワンルーム・ディスコ
3. NIGHT FLIGHT(ショートVer)
4. Dream Fighter
5. マカロニ
6. I still love U(ショートVer)
7. チョコレイト・ディスコ
8. ポリリズム
9. Puppy love

8時半くらいには会場に到着。グッズを見たり、とりあえず一杯やったりと気分を盛り上げたところでPerfume登場。ロックでも何でもないなあ、と思いつつもうかれて前へ。旬な人たちの盛り上がりはやはり一味違うな、と。

11:45~ チャットモンチー [GRASS STAGE]

1. 8cmのピンヒール
2. 風吹けば恋
3. 海から出た魚
4. 恋の煙
5. シャングリラ
6. 惚たる蛍
7. Last Love Letter
8. バスロマンス
9. 染まるよ
10.やさしさ

友人が楽しみにしていたということで前へ。CDで聴くよりも、断然生で聴く方がいいというのは嬉しい発見。スリーピースのガールズバンドらしくないパワフルな演奏は圧巻で聴き入りつつも身体が動いてしまう。でも、どの曲も煮え切らない片思いのような雰囲気で、何とも言えない寂しさを感じたのはなぜだろう(笑)。

13:45~ YUI [SOUND OF FOREST]

1. Laugh away
2. 雨上がりの夜空に [清志郎]
3. Rolling star
4. I'll be
5. again
6. Love is all
7. Zoo [川村カオリ]
8. Sea

100sはよく聴く好きなアーティストなのだが、四年前のパフォーマンスがいまいちだったということもあって、友人が観たいというYUIのステージへ。正直なところ残念なステージ。一年ぶりのLIVEということもあるのかぎごちないし、セットリストも順番・組み合わせとももっとうまく出来たんじゃないのかなと。

と、ここまでは自分の中では本番前で、この後からが楽しみにしているアーティストが続く。

15:05~ KING & PRINCE (YO-KING×堂島孝平) [Seaside Stage]

1. 空と緑のきまぐれサラダ
2. 夏休み [吉田拓郎]
3. デイ・ドリーム・ビリーバー [タイマーズ・バージョンのカバー]
4. Endless Man [堂島孝平]
5. Hey!みんな元気かい? [Kinki Kidsに提供した曲のセルフカバー]
6. KING & PRINCEのテーマ

真心ブラザーズの熱狂的なファンとして、三日目に参戦出来ないのは本当に残念だっただけに、このステージは外せない。他のステージとは少し離れたところにあるSeaside Stagehaはこじんまりとしていてなかなかよかった。登場したYO-KINGの一言「物好きなみなさん、こんにちは」で、ステージ全体に和やかな雰囲気が広がった。シンプルながら心地いいギターが聞こえてきたら、ひたすら「空と緑のきまぐれサラダ♪」を繰り返すだけのオリジナル曲でした(笑)。相手のMCをギターで打ち切ったり、YO-KINGが一曲目のギターをほとんど弾いてなかったりと、二人とも肩に力を入れずに音楽を楽しんでいる。拓郎の「夏休み」に聴き入り、モンキーズをカバーしたタイマーズの「デイ・ドリーム・ビリーバー」の歌詞をさらに変えたカバー、この二曲でぐっとひき寄せられる。神出鬼没のユニットらしいが、LIVEに行ってみたいと思わせる。この時、この場所じゃなければ聴けないという意味では今回のベスト・アクトかもしれない。

と、ここでひと休み。モンパチを懐かしさと共に聴きつつひと休みしているといつの間にかうとうとしてしまい、bonobosは「THANK YOU FOR THE MUSIC」しか聴けなかった。友人に合流すべくLAKEへ移動する途中で、DJブースで踊ったり、RYUKYUDISKOを少し聴いたりと、それぞれ楽しめるのもこのフェスのいいところ。LAKE STAGEに到着し、GRAPEVINEを聴きつつ民生に備える。

18:00~ 奥田民生ひとり股旅 [LAKE STAGE]

1. イージュー★ライダー
2. 愛のボート
3. たったったト
4. The STANDARD
5. ばらの花 [くるり]
6. いい女 [ウルフルズ]
7. CUSTAM
8. さすらい

圧巻。ギター一本で、ここまで聴かせるアーティストがどれだけいるだろう。マイペースにゆったりと時間をつかい、ギターを鳴らしたかと思うと、ウルフルズの「いい女」をワンフレーズだけ(笑)。やっぱりオーディエンスがどう流れるのかが分かってるのだろう。セルフ・カバーだけでなく、くるりの「ばらの花」が良かったのは収穫。「ばらの花」は矢野顕子もカバーしているが、この曲は誰がやっても、カバーした人の曲のようになってしまう…というのはカバーしている人の個性が強すぎるからだろうか。「イージュー★ライダー」に始まり「さすらい」に終わるという定番の構成ながら、なかにはじっくり聴かせる曲やカバーが入るというのはさすが。期待を裏切らないいいステージでした。

19:15~ ウルフルズ [GRASS STAGE]

1. ガッツだぜ!!
2. バンザイ~好きでよかった~
3. びんぼう'94
4. 借金大王
5. あの娘に会いたい
6. 笑えれば
7. サムライソウル
8. SUN SUN SUN '95
9. それが答えだ!
10. ええねん
En. いい女(アンコール)

四年前に生で観て、すごさを感じただけにとても楽しみにしていたステージで、前から10列目くらいまで行く。トータスがとにかくカッコいい。「笑えれば」「サムライソウル」「ええねん」「いい女」と歌詞が染み入る名曲の数々と、トータスの何とも言えない表情がぐっと目の前に迫ってくる。とにかく大満足の初日ラストでした。でもこれで見納めなら、「暴れだす」は聴きたかった。

<2日目>

GRASS STAGEにシートを確保してから、友人と別れてSOUND OF FORESTへ。

10:30~ ROCK'A'TRENCH [SOUND OF FOREST]

1. Trench Town Rock
2. 真夏の太陽
3. JUMP STAR
4. Night and Day
5. Every Sunday Afternoon
6. My SunShine
7. Don’t Stop The Music

迷った末に来たステージだったが、これが正解だった。ロック・テイストが強い曲を続けた後に、聴かせる「Every Sunday Afternoon」、その後にヒットした「My SunShine]、そして最後は踊らずにはいられないスカ・テイストの「Don't Stop The Music」、というセットリストにそのままのせられてしまった感じだ。いい二日目のスタートになった。

11:45~ 9mm Parabellum Bullet [GRASS STAGE]

1. Vampiregirl
2. Wanderland
3. Living Dyning Message
4. Termination
5. Psychopolis
6. The World
7. The Revenge of Surf Queen
8. Supernova
9. Black Market Blues
10. Talking Machine
11. Punishment
12. Discommunication

シート・ゾーンで休みながら聴く。一発目「Vampiregirl」が流れた時からかっこいいなとは思いながらも、聴いていた時はそれほど感じるものはなかったように思うのだが、楽曲に力があるのか、帰ってから気が付くと頭の中を何曲か流れている気がする。そんなわけで、帰ってからよくCDを聴いている。もったいないことをしたなと唯一悔やまれるステージだ。

木村カエラを途中まで聴いたところで、友人と話しつつ泉谷に備えて移動開始。

13:45~ 泉谷しげる [SOUND OF FOREST]

1. (RIJFのテーマ???)
2. すべて時代のせいにして
3. 春夏秋冬
4. 雨上がりの夜空に [清志郎のカバー]
5. 野生のバラッド

もともとフォーク好きとして、代表曲をよく聴いていた。でも、このフェスで聴くのはどうだろうなと思っていた。が、これがいい方向で完全に裏切られた。「こんなじじい呼ぶなよ」「帰らせてよ」「もういいだろ」と泉谷節を挟みながらも、しっかりとオーディエンスを掴んで離さない。前日同じステージ・同じ時間にも聴いた「雨上がりの夜空に」も正直なところ格が違った。バックバンドもさすがにうまい。とにかく、カッコ良かった。「しげるコール」も印象に残ったシーンだ。

ここでGRASS STAGEに戻ると、RIP SLYMEがやっていてお祭り状態だった。ひと休みしようと寝っ転がったところ、オーディエンスのジャンプで会場が震度3くらいの地なりを起こす。もしかしたらこの二日間で一番会場が盛り上がっていたのかもしれない。が、再び眠りにつく(笑)

15:55~ 岡林信康 [SOUND OF FOREST]

1. 虹の舟歌
2. あらえっさっさ
3. 今夜は朝まで踊りましょ

サンボマスターの「これで自由になっていたのだ」が、岡林の「それで自由になったのかい」のカバーだと知ってから、昔の代表曲のいくつかは聴いていたが、最近の活動は全く知らなかった。が、このステージも大正解。ワールド・ミュージックといった感じの三曲(!)をゆったり聴かせてくれた。でも、MCがセクスィー部長みたいだったのには思わず笑ってしまった。

16:30~ ソウル・フラワー・ユニオン[PARK STAGE]

1. 平和に生きる権利
2. ラヴィエベル ~人生は素晴らしい!
3. 神頼みより安上がり
4. 海行かば 山行かば 踊るかばね
5. 満月の夕
6. 荒れ地にて
7. 風の市

個人的に今回のフェスで最も楽しみにしていたのが、LIVEで聴きたいと思い続けていたソウル・フラワー・ユニオンだ。サウンド・チェックと称して、しっかりと「平和に生きる権利」をやってくれたのも嬉しかった。どの曲も歌詞ひとつひとつを覚えるくらいに聴きこんだ代表曲。最前列に行くことが出来たので、しっかりと「踊るアホウ」をやってきた。これは何としても単独のLIVEに行かなければ。

18:00~ サンボマスター [LAKE STAGE]

1. 青春狂騒曲
2. 世界をかえさせておくれよ
3. 愛しさと心の壁
4. ソウルコア
5. 美しき人間の日々
6. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
7. そのぬくもりに用がある
8. グレート・アドベンチャー [真心ブラザーズ]

前回のこのフェスで衝撃的な出会いを果たして以来追いかけ続けているサンボマスターということで、三人とも荷物をクロークに預けて最前列に近いところまで行く。とにかく飛び叫び、体力を使い果たした一番最後に、山口さんの「グレート・アドベンチャー」がふっと耳に入ってきたのに感動した。

19:10~ サカナクション [SOUND OF FOREST]

1. Ame(B)
2. ライトダンス
3. サンプル
4. minnanouta
5. ネイティブダンサー
6. [新曲]
7. セントレイ
8. アドベンチャー
9. ナイトフィッシングイズグッド
En. 三日月サンセット

前回の収穫がサンボマスターだったとすれば、今回はサカナクションだ。前日に、ネイティブダンサーやセントレイを友人にちょっと聴かせてもらったくらいで、全然知らなかったし、何よりサンボのライブで体力を使い果たしていた。だから、三人揃ってSOUND OF FORESTの最後方でまったり聴くはずだった。が、気が付けば身体が勝手に動いていた。辺りがすっかり暗くなったこの時間に聴くのが最高に合っていたのかもしれない。二日間のラストを飾るにふさわしいいいステージだった。

at 14:15|PermalinkComments(1) 旅日記