2005年08月

2005年08月17日

面倒。

最近思うのは、就職活動やらなくてよかった、ということ。なぜなら落ちるかもしれない会社のエントリーシートをひたすら書くなんて俺には到底無理だから。推薦を貰って一次試験が免除になっている大学院の出願書類の記入だけで参っているのだから、確実に就職活動は無理だ。

今日は、大学院を受ける友人と書類の不備を確認。後は残った箇所を清書して終わりだ。

こうやって事務的な作業をしていると、なかなか読書が進まない。『日露戦争の世紀』をようやく読み終える↓

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山室信一『日露戦争の世紀』(岩波新書)
『思想課題としてのアジア』(岩波書店)、『満洲国』(中公新書)などの著書で知られる山室信一による日露戦争論。といっても、日露戦争そのものを描写することが目的ではない。日露戦争が起こった背景、日露戦争の与えて影響を、「連鎖」(より限定すれば思想の連鎖)の視点から描くことに本書の視角である。非常にバランスが取れており、しかも面白い本である。通読すれば、筆者の立ち位置がどこにあるかは容易に分かるだろう(どういう立ち位置にあるかは実際に読んで下さい)。しかし本書はそのような筆者の立ち位置に関係なく、実証的な歴史とはどのようなものかを教えてくれる。現在の常識から当時を断罪することは本書では一切行われない。安心して人に薦められる良書である。あえて苦言を呈すれば、ややテーマがぶれている。各章のテーマが異なっているし、ほんの構成そのものはあまり読みやすいものではない。そういった意味で秀逸なのは第5章の「世界とのつながり、日本のまなざし」。第5章では、日露戦争が世界と日本の思想界にどう影響を与えたのか、そしてそれが互いにどう「連鎖」したのかが描かれている。筆者の膨大な資料の読み込みが伺える。横手慎二『日露戦争史』と合わせて読むと面白さは倍加するだろう。

at 22:57|PermalinkComments(0)本の話 

2005年08月16日

いざ大学。

三田キャンパスが「営業再開」、早速大学へ行きました。でも、やることはひたすら大学院出願関係。10枚くらいある書類に記入をしたり、よく分からないことを学事センターで聞いたり、大学院の先輩に話を聞いたり…さっさと終わらせてしまいたい。

自分がなぜ大学院へ行くのか、といったことを改めて考え直し、人生の偶然と必然に気付かされる。別に何がどうというわけではないんだけど、偶然だろうと必然だろうと、これが俺の人生だな~なんて思ったり。で、響いてくるのがYUKIのJOY♪。”運命は偶然じゃなく必然で出来てる”ときて最後は”死ぬまでドキドキしたいわ、死ぬまでワクワクしたいわ”。心の底からそう思う。こんなことを考えるなんて、やっぱり夏にうかれている。

話は変わるが、今日、4回にわたって「送り出した」後輩がフランスへ向けて旅立った。後輩とは以前から顔見知りではあったが、親しくなったのは今年の4月に彼がゼミに入ってから。お互いにいい刺激を与えあえるいい関係だったのではないか、と思います。今、俺が留学したくてたまらないのは彼の影響が大きい。いい留学生活が送れることを祈念。留学経験は直接だろうと間接だろうと人生にきっと大きな影響を与えてくれるはずだ。がむしゃらに頑張ってほしい。

at 23:41|PermalinkComments(0)日々の戯れ言 

2005年08月15日

戦後60年。

今日は終戦記念日、と新聞・TVで大々的に報道されている。が、佐藤卓己『八月十五日の神話』を読んだ後に、この日を迎えるとまた違う思い。実際に1945年8月15日はどういう日なのだろうか。国内向けに「玉音放送」が流された日である。ポツダム宣言の受諾を決定したのが8月10日、終戦の詔勅の日付は8月14日、ミズーリ艦上での降伏文書(正確には停戦合意)調印は9月2日、そして戦争状態の終結となる講和条約の発効は1952年4月28日だ。終戦って何だ? 終戦と敗戦って何だ? こんな疑問が頭の中でぐるぐる回った一日。

当然、新聞紙上でも『八月十五日の神話』は大きく取り上げられていた。前に産経新聞に出ていた書評は紹介したが、今週は読売新聞には竹内洋の書評が掲載されていた。また毎日新聞では、筆者の佐藤卓巳と文芸評論家の富岡幸一郎、大学でお世話になっている細谷先生の三者による対談が掲載されていた。俺のコメントで言いたいことは、書評&対談に大体出ているので、気になったらそっちを見て下さい。

今日に関連してだろう。昨日の毎日新聞には、五百旗頭真の「あの戦争から60年」と題する書評が掲載されていた。このblogでも何回か取り上げた横手慎二『日露戦争史』も紹介されている。ここに紹介されいる本は、半分くらいしか読んでないので、残りも是非読もうと思う。ちなみに今は山室信一『日露戦争の世紀』を読んでいる。

TVでも終戦60年を意識した番組が数多く放送されていた。NHKのBSハイビジョンでやっていた「8月15日 あの日、世界は何をめざしていたのか」などを中心にいくつか見た。NHKの番組は、8月10日に世界が日本のポツダム宣言受諾の意向を知ったことに注目し、そこから8月15日までの5日間に世界がどう動いたのか、ということを検証する番組。なかなか面白い視点だし、興味深い内容だったのだが、当時の満州を「中国東北部」と表記・ナレーションしたり、地図が現在の国境で描かれていたりするなど、考証にかなり問題あり。こういった時代考証1つで視聴者の受ける印象は相当程度変わってくる。ふ~む、気をつけないと。

こんな感じに、新聞・雑誌・TVをチェックするうちに一日が終わってしまった。俺が自分の意見として日本の戦後を検証できるようになるには、まだまだ時間が必要だな~。残りわずかな大学生活、そしてその後の大学院生活の最大の課題だ。

明日からは大学院出願書類の記入を始めよう。

at 22:46|PermalinkComments(0)日々の戯れ言 

2005年08月14日

…またまたまたまた歓送会。

朝からバイト、その後ゼミの友人&後輩に合流。なぜか、流れでまたまたまたまた後輩の歓送会へ。まぁ、面子も趣旨も毎回微妙に異なるとはいえ、何人かとは毎回顔を合わせる。これでは歓送会ではなく、ただ遊んでいるだけではないか。

6時間程、東京タワーが見える後輩の家でだらだら飲んで話して、その後61回目「終戦記念日」を迎え、何でかは分からないが皇居へ。桜田門から二重橋へと7人で歩く。何か幻想的というか不思議な気分。期待していた右翼は1人もいなかった。やっぱり靖国に集結しているんだろうか。

ロラン・バルトでは無いが、国のそして首都の中心に皇居という不思議な空間がある日本という国は本当に面白い国だと思う。皇居周辺には、国会や官庁街もある。まさに日本の権力の中心、自分の足で歩いてみると意外な発見があるかもしれない。

at 23:07|PermalinkComments(1)日々の戯れ言 

2005年08月13日

恋愛頭脳。

今週末は朝からバイト。その後、映画を観た、スターウォーズ以来だ。観たのは、去年ドイツで公開されて多いに話題になった問題作「ヒトラー~最期の12日間~」。人間として等身大のヒトラーを描くという制作者の意図はひしひしと伝わってくる。去年、アラン・ブロック『ヒトラーとスターリン』(草思社)を授業でじっくりと読んだからだろうか、俺はそれほど違和感無く観た。他の人はこの映画をどう観るんだろうか。観た人いたらコメントお願いします。

ネットサーフィンをしているうちに、なぜかトラックバック数日本一を誇る真鍋かをりのブログに。そこで紹介されていた「恋愛頭脳」なるものをのりでやってしまった。結果は以下のとーり。意外と当たっているとこが多いような…。

◇◇◇

恋愛観レベル:大人(14段階中5番目)

<総合コメント>
とりとりさんの恋愛観は、まぁまぁバランスが良いのではないでしょうか。とりとりさんの考え方は全面的に支持されるものではありませんが、さほど歪んでいるという印象も持たれないでしょう。しかしところどころにある偏りは、とりとりさんが広く人の意見を聞き入れないでここまできたジャンルであると言えます。トラブルの種となる可能性大です。それがとりとりさんのこだわりであろうとなかろうと、異なる意見も広く取り入れましょう。

<ジャンル別コメント>

人生における恋愛
非常にバランスが良いでしょう。恋愛に固執せず、重くもなく軽くもなく、人生を広い視野から捉えています。得てしてとりとりさんのような感覚のほうが、恋愛最重視の人よりも上手に付き合っていけるものです。

社会における恋愛
人を好きになると、とりとりさんは気付かないうちに行動や言動が浮ついていることでしょう。視野が狭まっているはずです。また友達付き合いも多少おざなりになるのではないでしょうか。ただし極端ではないので、周囲は微笑ましくその様子を眺めてくれることでしょう。

自己犠牲の精神
なかなか良いバランス感覚です。多少損得勘定に走りがちな部分も見受けられますが、自分がほどよく傷つかないための防御線としてこの程度はアリではないでしょうか。とりとりさんが尽くすタイプの人と付き合えば、共鳴するようにとりとりさんも自己犠牲側にまわることでしょう。

ルックス
とりとりさんはルックスにわりと無頓着であると言えるでしょう。異性のルックスにあまり執着しない点は好感がもてますが、とりとりさん自身のルックスに無頓着であることは一般的に好感を持たれません。自分を磨くことは忘れずに。

財力
かなり財力軽視に偏っています。これは「お金がなくとも好きな気持ちは変わらない」という美しい価値観である一方で、世の中を渡っていくにはやや夢想的な感があります。一般平均よりもかなり無頓着なので、彼氏彼女とここ(金銭面)をポイントにもめないことを祈ります。

安定と刺激
多少冒険志向に寄っているものの、一般的価値観からしてみれば許される範囲のようです。すぐ誰かを好きになったり、わりと移り気だと自分で感じることはありませんか?それでも派手に遊んだり彼氏彼女に心配をさせなければ、まだ極端な波瀾/冒険志向と言うほどでもありません。

駆け引き
とても駆け引き重視に偏っています。とりとりさんは相手に気持ちをぶつけるよりも、主導権を握ることにいつのまにか終始して、いつのまにか恋愛を終えたりしていませんか?気持ちでぶつかっていくことは疲れますが、相手を操作するだけの付き合いはただの調教です。

許容と束縛
放任主義に若干寄ってはいるものの、かなり良いバランスを保っています。相手にとって付き合い易く、また自然と離れていくわけでもなく、適切な距離感を保っていけそうです。しかし相手が束縛に寄る人の場合は、この話題を巡って摩擦を生じがち。相性は良くないことでしょう。

将来への意識
長期的な視野に立って物事を判断するタイプのようです。恋愛においてはそれが必ずしも幸せに直結するとは限りません。毎日の積み重ねを軽視すると、とりとりさんの彼氏彼女にとっては、どこかスカスカな日々を送っている気になるものです。たまには先のことを考えない壊れっぷりも発揮しましょう。

◇◇◇

こんなことやってみるなんて完全に夏にうかれてるな~。ちなみに、ここ、にアクセスすると俺との相性診断付きで恋愛頭脳を測ってくれるらしいです(爆)。

at 23:05|PermalinkComments(0)映画の話 

2005年08月12日

大学院出願の相談(?)、そして三度歓送会。

昨日流れてしまった大学院出願に関する相談を、一緒に進学するゼミの友人と共に先生とする。

出願書類に関してだけではなく、今後の自分の大学院生活にも繋がる貴重なアドバイスを頂戴する。とりわけ俺にとって重要なのは、出願書類に「あまり書きすぎないように」というもの。これは出願書類だけではなく、研究や問題意識にもそのままあてはまることだ。俺は現段階では、1970年代後半の日本外交、特に福田&大平政権を研究しようと考えている。なぜ大平と福田なのか? という問いについては様々な答が考えられる。しかし、である。様々な答を並べることにはどれだけの意味があるのだろうか。多くの疑問や意味づけを持つことは大切だが、その意味づけや疑問が多ければ多いほど議論のシャープさは無くなるし、議論が散漫にある。自分の問題意識として、様々な考えをもって研究にあたることは重要だし、数多くの考え方や分析視角を検討する必要はある。が、その全てを自分の研究に詰め込むことは無駄だ。様々な検討の結果、何が重要なのかを考えなくてはならないのだ。

というような話を踏まえて、先生からもう1つアドバイス、「あまり勉強しすぎないこと」。そのこころは、知識が数多くあるということと、面白い議論をするというのは別で、むしろ知識量と議論の面白さは一般的には、トレードオフにあるともいえる、ということらしい。が、このアドバイスには逆らっていこうと思う。先生のいうことはもっともだけど、やはりその危険を認識しつつも知識は増やしていかないといけない。何といっても今の俺には知識が絶対的に不足している。とにかく読んで読んで、考えて考えて、そのうえで自分で何度も何度も軌道修正しながら2年間を過ごしたいと思う。凡人で終わってなるものか! という心意気を大事にしたい。

この他にも数多くの貴重な助言を戴いた。贅沢なことだ。この先生の下で修士課程の2年間勉強できないのが残念でならない。インプットとアウトプットは使う「筋肉」も違うし「ルール」も違う。でもどちらも必要なことだし、どちらかが欠けてはいけないものだ。今はまずインプット、あと語学。こんな感じに落ち着いた。

その後、三度行われた後輩の歓送会(今日は3年生主催)の二次会へ合流。そろそろ送り出す気分がなくなってくる…。

at 23:02|PermalinkComments(0)ゼミ&大学院授業 

2005年08月11日

また歓送会。

今日は留学するゼミの後輩の歓送会、ゼミで海へ行った時にも、なんかメッセージを書いたようなきだするんだけど…。何はともあれ、先生&ゼミの留学組&慶應の院への進学組で歓送会を、大学が休業期間(?)ということもあって、街全体に活気が無い三田でやりました。

真面目な話から、ぶっ飛んだ話まで4時間近くにわたって話す話す話す。終了後はゼミの友人宅へ行き、また話す話す話す、気付けば朝4時。勉強生活復帰への道は険しい。

とまあ、なかなか楽しかった一日だったんだけど、誤算が1つ。歓送会前に、先生と大学院への出願について相談する予定だったのだけど、どたキャンされてしまった。ふむ、どうしたものか。

ちなみに歓送会前に外交官の回顧録読破生活一時復帰。今日は小和田恒の回顧録を何冊か拾い読み。印象に残ったのは『参画から想像へ』、簡単な感想↓

小和田恒『参画から創造へ』(都市出版)
本書は一般的な回顧録ではなく、小和田恒元外務事務次官の既発表原稿をまとめたもの。通して読むと、小和田の外交思想というものがぼんやりながら見えてくる。条約畑、二度のロシア勤務、OECD大使、といった経歴がいかに彼の外交思想に影響を与えているか、ということがよく分かる。同時に、その経歴とは別の何かによって作られた思想も浮かび上がってくる。それが何か、ということは巻末にある船橋洋一の解題に詳しいのでそちらを見て欲しい。内容は分かりやすく興味深く勉強になるものが多かった。が、英文で発表したものの翻訳が多いからだろうか、残念ながら文章が非常に読みづらい。興味があるものの拾い読みを薦めます。

書評紹介。このblogでも何回も取り上げている細谷雄一『大英帝国の外交官』。『論座』と『諸君!』で、それぞれ中西寛と新井潤美が書評している。次は佐藤卓己『八月十五日の神話』、産経新聞に。

at 23:50|PermalinkComments(0)本の話 

2005年08月10日

脱皮。

早くも脱皮が始まる。この黒さが薄くなるとともに、大学院0年生の俺になっていくんだろう。それにしても勉強の能率が上がらない。暑さのせいか、遊びすぎのせいか、それとも両方か。

というわけで読みやすい本を読んだ↓

高坂正堯『平和と危機の構造』(NHKブックス)
高坂正堯の遺作ともいえる95年出版の本書は、副題にあるとおり「ポスト冷戦の国際政治」がテーマとなっている。基本的に「時事物」なのだけど、10年経った今でもほとんど違和感無く読み進めることが出来る好著。高坂正堯特有の平易ながら深みがあり、さらに非常にバランスが取れた記述で、依然として重要な核や軍事力の問題から民族紛争、相互依存、アメリカ脅威論などなど様々なテーマについて12章に渡って分析されている。歴史や理論というものをどう利用するか、80年代の新冷戦の評価、といった本筋とは外れる部分にもこの本の面白さがある。印象深いのは「中国」に関する記述。筆者の禁欲的なまでに等身大の中国を描こうという姿勢から、いかに中国を正しく捉えることが難しいかが伝わってくる。初学者は『国際政治』(中公新書)、『現代の国際政治』(講談社学術文庫)、の2冊と併せて読むといいのではないだろうか。

とまあ、あまり有益なコメントも出来ないのですが、勉強生活に復帰するきっかけになりました。『現代の国際政治』を読んだときにも感じたのだけど、高坂正堯のバランス感覚には本当に驚く。この高坂が「現実主義者」として論断にデビューした1960年代とはどういう時代なのだろう、なかなか興味深い。

at 23:33|PermalinkComments(0)本の話 

2005年08月09日

「郵政解散」に思うこと。

今日は長崎に原爆が投下されてから60年だ。そして3日前は、広島への原爆投下から60年。ということで、例の如く「8月ジャーナリズム」(佐藤卓己『8月15日の神話』参照)が真っ盛りかと思いきや、今年の焦点は永田町での政局にあった。結局、昨日8月8日の参議院本会議で郵政法案は否決、小泉総理は即衆院解散を決断、解散詔書が天皇陛下から出され、それを河野衆院議長が読み上げ、衆議院は解散となった。以下、「郵政解散」について若干の考察と感想を述べていこうと思う。なお、俺は当面は基本的に「政治活動」に関わるつもりも、床屋政談をするつもりもないので、以下で政治的主張はするつもりはないです、悪しからず。

◆◆◆

はじめに

今回の「郵政解散」には、政治学を学ぶものにとって興味深い点が数多くある。その中のいくつかを指摘し論じることが本稿の目的であり、いずれかの政党の善し悪しや、郵政問題そのものを論じることが目的ではない。政治学を学ぶものの視点から、巷で語られる「郵政解散」論から抜け落ちたものを指摘してみたい。

三権分立

昨日今日のニュースで多くの議員が口にした「三権分立」。初めにことわっておくが、日本は(少なくともアメリカ型の)三権分立では決してない。日本が三権分立だというのは中学高校の公民教育における代表的な誤りである。日本は大統領制ではなく議院内閣制を採用している。議院内閣制は権力分立ではなく権力融合の体制である。立法権と行政権の融合によって政治を行う体制となっている。だからこそ、立法権と行政権の間に乖離が生じた場合、憲法上の手続きに従って総理大臣は議会を解散することが出来るのである。このことは次に論じる「参議院問題」と大きく関係している。

参議院問題

今回の解散における最大の問題はやはり「参議院問題」だろう。解散反対派の亀井静香代議士が再三指摘していたのも「衆議院を通った法案が参議院で否決されたから衆議院を解散するのはおかしい」ということだ。この亀井氏の主張には一理あるのだが、選挙でのインパクトには欠けるだろう。小泉総理は「衆参一体で国会」と考えて、国会で否決されたから国会を解散して国民の信を問う、という主張をしており、これは圧倒的に分かりやすく国民にも受け入れられるだろう。ここで問題にしたいのは「分割政府」である。前項で指摘したように、議院内閣制は権力融合の体制である。その融合にひびが入った場合、首相は議会を解散することが出来る。しかし参議院には首相の解散権は及ばない。つまり、首相と参議院との間にひびが入った場合、それを修復することを(解散総選挙に打って出るという形で)短期的に行うのは難しいということである。これだけでも参議院問題は重要なのだが、他にも様々なケースで参議院は重要になる。例えば、衆議院選挙で与野党逆転が起こったとしても、与野党間の政権交代が起こるとは限らない。それは参議院の議席は変わらないからだ。首相指名に関しては衆議院が優先することが憲法に定められているので大きな問題はない。しかし一般の法案の成立に大きな影響を与えるのは間違いない。つまり今回の衆議院選挙で仮に民主党が単独過半数を獲得したとしても、参議院のことを考えると公明党もしくは自民党の一部と連立を組まざるえない、ということだ。また、参議院選挙で与野党逆転(もしくはそれに近い事態)が起こることもある。これは実際に89年の参議院選挙で起こったことである。結果、自民党は法案の成立のため民社党と公明党に大きな譲歩を重ねることになった。ちなみに参議院問題が初めて認識されたのも89年のこの選挙である。このような参議院問題は、憲法改正においても主要な争点となるべき重要な問題であるのだが、先行研究は少ない。とりあえず今年の年報政治学に掲載されている、竹中治堅「『日本型分割政府』と参議院の役割」がお薦め。9月11日の選挙後、もし与野党逆転(もしくはそれに近い事態)が起きたときに参議院がどうなるか、非常に興味深い。本稿の一番下に現在の参議院の会派別勢力を載せておいたが、民主党は公明党と連立を組んでも参議院では少数だ。さてさてどうなるのだろう。

選挙制度

次に考えたいのは選挙制度の問題。よく「90年代前半の政治改革で何が変わったんだ、何も政治は変わっていないじゃないか」というような議論があるがこれは大きな間違いである。あの改革が無ければ、小泉政権は生まれなかっただろうし、今回の郵政解散のような事態は発生することはなかった。周知の通り、90年代に日本の選挙制度は大きく変わった。簡単にいえば、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制への移行である。その後の定数削減などもあり、現在では全国300の小選挙区及び180の比例区(これは地域ごと)によって衆議院選挙は争われている。それまでは政党に所属していたとしても、1つの政党から何人もが同じ選挙区で争ったので、候補者それぞれはあくまで自分の顔が看板であった。しかし今はそれぞれの候補は選挙区でただ1人の自党の候補者なのである。結果、派閥の力の減少及び党執行部の力の上昇が起こったことは間違いない。小泉政権の党運営は改革以前では考えられないほどの「ごり押し」である。この小選挙区下での選挙では何が起こりうるか。それは与野党の一挙逆転である。もちろん比例区が180あるので、イギリスやカナダのような大きな逆転が起こるとはいえないが、従来の中選挙区制では起こり得なかった与野党逆転が起こり得るわけだ。具体的にいえば、今回の選挙で自民が分裂選挙を戦うのを尻目に、民主党が漁夫の利を得るのは大いにあり得る。このような選挙制度改革が何をもたらしたかといえば、それは政党の変質である。どの政党も政権交代を視野に入れた活動を行うようになっている。そういう意味で、現在の自民党と民主党を55年体制下の自民党と社会党とのアナロジーで見るのは間違っている。強調したいのは、社会党と民主党との違いではなく、55年体制下の自民党と現在の自民党の違いである。55年体制下の自民党は、派閥政治を行うことで疑似政権交代を行ってきた。国民としても、それを受け入れていたといえるだろう。例えば田中政権後の三木政権の成立などその好例である。しかし今は異なる。現在はこのような疑似政権交代は国民に受け入れられないだろうし、制度そのものがよりドラスティックなものになっているのだ。

選挙の話
で、選挙の話。当然興味深いのは、郵政法案に反対した37人と棄権・欠席した14人の選挙区。自民党執行部が郵政法案に反対した37人に公認を与えないのは確実。この37の選挙区(比例区当選者もいるが、公認が出なければ選挙区からの立候補となる)がどうなるか、郵政民営化の賛成派か、反対派か、それとも民主党か、非常に興味深い。また意外と面白いのが棄権・欠席の14の選挙区、小泉はどう出るか。ところで二大政党といっても、現在自民党と民主党は74の議席差、公明を入れると108の議席差がある。これを逆転するには、他の政党の議席に変化がなく、現有議席を民主党が全て確保したとしても、37の選挙区で自民党に勝たなくてはならない。37という数字の偶然がなかなか面白い。ちなみに公明も含めて与野党逆転するには54選挙区での与野党逆転が必要となる。

ちなみに現在の各会派の勢力は↓

【衆議院】
250自民
 34公明
176民主・無クラブ
  9共産
  6社民・市クラブ
  3無所属
  2欠員
――――――――
480合計

【参議院】
114自民
 24公明
 84民主・新緑
  9共産
  6社民・護憲
  5無所属
――――――――
242合計

◆◆◆

以上、偉そうなことを色々書いたけど、要は選挙が楽しみということ(かな?)。この選挙で民主党の真価が問われるんだろう。ついに小泉は公約の「自民党をぶっ壊す」を実行しようとしているわけだ。残念ながら俺の東京5区は民主党が議席を持っていて、しかも比例復活当選の自民党議員は山崎派の郵政改革賛成組ということで面白くない。えー、ちなみに俺の個人的政治信条については、直接聞いてくれればそれなりにちゃんと答えます。

at 21:11|PermalinkComments(3)アウトプット(?) 

2005年08月08日

フェス&ピースより帰京。

3日間のロックフェスから帰ってきました。どうせだから聞いた曲は全部書き起こそう♪ ついでに一言づつ感想も。

<初日>
11:00~ ACIDMAN GRASS STAGE (シートゾーン)
1. FREAK OUT
2. 造花が笑う
3. アイソトープ
4. swayed
5. 赤橙
6. リピート
7. colors of the wind
8. ある証明
9. 飛光

いよいよフェスがスタート♪

12:20~ KREVA GRASS STAGE(シートゾーン&ちょっとスタンディングゾーン)
1. KRAZY BOYS,KRAZY GIRLS
2. いまさら2STEP
3. ひとりじゃないのよ
4. 晴天
5. DAN DA DAN
6. カッケーゾ(くぅ)
7. ファンキーグラマラスPart 2
8. ファンキーグラマラス
9. お祭りクレバ
10. イッサイガッサイ
11. 音色
12. スタート

全然、好きではないのだが、何となく雰囲気に誘われてエリア前方で少し踊る。

13:40~ YUKI GRASS STAGE(スタンディングゾーン、けっこう前)
1. WAGON
2. プリズム 
3. 長い夢
4. ドラマチック
5. 歓びの種 
6. Rainbow st.
7. JOY
8. ハローグッバイ

いよいよ本番。よく練られたいいステージだった。YUKIはほんとにうまい。新曲の歓びの種♪も最高、個人的にはかなり盛り上がる。

15:00~ 100s GRASS STAGE(スタンディングゾーン、けっこう前)
1. OZ III
2. A
3. ラッタッタ
4. 1,2,3
5. Honeycom.ware
6. Sonata
7. 扉の向こうに
8. OZ III
9. 新世界
10. キャノンボール
11. ロックンロール

100sは、中村一義のソロ時代からかなり好きなアーティスト、ということで最初からエリア前方へ。が、ライブ自体はいまいち。曲の完成度が高いだけに残念。

16:20~ Dragon Ash GRASS STAGE(シートゾーン)
1. Intro
2. Under Age's Song
3. Amploud+Fantasista
4. resound
5. Life goes on
6. 夕凪UNION
7. United Rhythm
8. 百合の咲く場所で
9. ROUND UP
10. Loca Burnin'
11. crush the window
12. 静かな日々の階段を

個人的にはワーストアクト。今回のフェスはダイブ&モッシュは禁止だったのだが「ダイブしようぜ!」&「ロック聞いたら体が動くっしょ!」といいながら、前方ではダイブはゼロ。かっこ悪すぎる(泣)

17:40~ BUMP OF CHIKEN GRASS STAGE(シートゾーン)
1. プラネタリウム
2. オンリー ロンリー グローリー
3. 車輪の唄
4. ギルド
5. ダイヤモンド
6. embrace
ここまで聞いて、真心のために移動。

真心への移動を控え、エリア後方のシートゾーンで聞いていたのだが、ライブの出来はかなりよかった。MCはほとんど無し。曲そのもので勝負しているところがいい。

18:50~ 真心ブラザーズ LAKE STAGE(スタンディングゾーン、けっこう前)
1. RELAX-OPEN-ENJOY
2. 新しい夜明け
3. BABY BABY BABY
4. マイ・バック・ページ
5. Dear Summer Friend
6. ENDLESS SUMMER NUDE
7. 愛
8. 拝啓、ジョン・レノン
EN 空にまいあがれ

初日のベストアクト。俺の期待も高かったが、ぞれに見事に応えてくれた真心に万歳。マイ・バック・ページはボブ・ディランの名曲のカバー。やった曲は、ほぼ“KING OF ROCK”と“GREAT ADVENTURE”と”I Will Survive”から。前向きなメッセージに溢れるものばかり。夕日が沈みいい雰囲気の中、ミドルテンポの曲からスタートし、メリハリをつけた最高の選曲。初日は最高に盛り上がったところで終了。

<2日目>
10:40~ GOING UNDER GROUND LAKE STAGE(シートゾーン)
1. トワイライト
2. ハートビート
3. グラフティー
4. ダイアリー
5. アゲハ
6. センチメント・エキスプレス
7. ショートバケーション
8. STAND BY ME

2日目は、フジファブリック目当ての友人もいることから、LAKE STAGEでスタート。ん~、朝の始まりにはなかなかいい感じだ。やっぱり全曲知っているライブはいい。

11:50~ フジファブリック LAKE STAGE(シートゾーン)
1. 虹
2. TAIFU
3. ダンス2000
4. 新曲
5. 茜色の夕日
6. 銀河
7. 陽炎

今回のフェスでの収穫。虹♪と陽炎♪くらいしか知っている曲はなかったのだが、その他の曲もなかなかかっこいいではないか。

15:00~ ウルフルズ GRASS STAGE(スタンディングゾーン後方)
1. バカサバイバー
2. SUN SUN SUN '95
3. バンザイ~好きでよかった~
4. 大阪ストラット
5. 暴れだす
6. ええねん
7. ガッツだぜ!!
8. いい女

2日目最高の盛り上がり。昔の名曲から、暴れだす♪ええねん♪といった最近の曲まで織り交ぜ盛り上げる。ええねん♪はCDでは分からないよさがあった。全体を通して、ウルフルズのライブパフォーマンスに圧倒された。

16:20~ THE BAND HAS NO NAME GRASS STAGE(シートゾーン)
1. ギターの犬
2. マルホランド・ドライブマーケット
3. もしもし!OK!!
4. Rain Song
5. Mistake
6. Jet Lag
7. Blue Boy
8. All Through The Night
9. Something Wild

エリア後方シートゾーンで寝っ転がりながら聞く…前へ行った友人を除き、川の字で(笑)。SPARKS GO GOと奥田民生のバンドなんだけど、両者ともイメージが違う。なんというか、ロックロックしている感じ。これをBGMに寝るなんて贅沢すぎる。

17:40~ SINGER SONGER GRASS STAGE(シートゾーン)
1. ロマンチックモード
2. Come on you
3. 雨降り星
4. Millions of Kiss
5. 初花凛々  
6. 花柄

相変わらず、Coccoはいっちゃっているが…曲は最高。初花凛々♪はかなり完成度も高い。とはいえ、くるりで来て欲しかったな~、という気持ちは隠せない。

19:00~ Mr. Children GRASS STAGE(シートゾーン)
1. 終わりなき旅
2. 光の射す方へ
3. 名もなき詩
4. 未来
5. 雨のち晴れ
6. I'll be
7. and I love you
8. ランニングハイ
9. HERO
EN innocent world

会場の盛り上がりは凄かった。が、ロックフェスの盛り上がりと言うよりはドームツアーのそれ。というわけでロック好きの友人とシートゾーンで寝っ転がりながら。雨のち晴れ♪をやってくれたのはうれしかった。

<3日目>
11:00~ サンボマスター GRASS STAGE(スタンディングゾーン前方)
1. 歌声よおこれ
2. これで自由になったのだ
3. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
4. 青春狂騒曲
5. 夜が明けたら
6. 美しき人間の日々
7. そのぬくもりに用がある
8. 月に咲く花のようになるの

生涯でベストライブかもしれない。3ピースバンドなのに、もの凄いパワー、心に響くMC、オーディエンスの盛り上がり、どれをとっても最高。こうやって文字にすることがもったいないくらい。俺も今日からサンボ師匠と呼ぶことにしよう。

12:20~ エレファントカシマシ GRASS STAGE(シートゾーン)
1. 生命賛歌
2. デーデ
3. 風に吹かれて
4. 悲しみの果て
5. 今宵の月のように
6. 人生の午後に
7. 昔の侍
8. 珍奇男
9. 四月の風
10. ガストロンジャー

サンボマスターの興奮醒めやらぬ中、聞こえてきたのは清志郎みたいな宮本さんの声。いつの間に、あんな声、あんな歌になったんだろう。結構、懐かしい曲が多く癒された。

13:40~ 銀杏BOYZ GRASS STAGE(シートゾーン)
途中からなので、聞いた曲だけ。
 若者たち
 BABY BABY
 東京
 人間

うわ~、脱いでるよ、警察いるのに。寺山修司の詩の朗読はかっこよかった。

15:00~ 奥田民生 GRASS STAGE(シートゾーン)
1. ギブミークッキー
2. 快楽ギター
3. サウンド・オブ・ミュージック
4. 細胞
5. 海の中へ
6. リルラ リルハ (スペシャルゲスト 木村カエラ)
7. Tripper
8. プライマル
9. 哀愁の金曜日
10. 船に乗る

ほぼ最新のミニアルバムから。途中出てきた木村カエラは間違えるし、なんというぐだぐた感があるステージ。昨日のバンハズに続いて、3人で寝っ転がって聞く。

16:00~ ASIAN KANG-FU GENERATION GRASS STAGE(シートゾーン)
1. 君という花
2. Re:Re:
3. 君の街まで
4. ループ&ループ
5. アンダースタンド
6. ブラックアウト
7. リライト
8. 未来の破片
9. サイレン

う~ん、ここはカラオケか、というノリ。

17:40~ 坂本龍一 GRASS STAGE(スタンディングゾーン中程)
1. Behind the Mask
2. Merry Christmas Mr.Lawrence
3. Undercooled
4. Riot in Lagos
5. Rain (from The Last Emperor)
6. Coro
7. The End of Europe
8. Tong Poo
9. World Citizen
10. Dead Girl 死んだ女の子 (スペシャルゲスト 元ちとせ)

完全に教授の手のひらで踊らされた感じ。知らない曲でも体が自然と動く。が、周りのカラオケのりの奴らは棒立ち、信じられない。小山田圭吾や元JAPANのドラムがサポートというのもすごい。CD欲しくなった。

19:00~ サザンオールスターズ GRASS STAGE(シートゾーン)
1. チャコの海岸物語
2. フリフリ’65
3. マンピーのG★SPOT
4. 神の島遥か国
5. 愛と欲望の日々
6. 汚れた台所
7. ミス・ブランニュー・ディ
8. 夏をあきらめて
9. 真夏の果実
10. 希望の轍
11. HOTEL PACIFIC
12. 勝手にシンバッド
13. BOHBO No.5
EN みんなのうた

大とりということで、会場の盛り上がりは最高潮。俺としても懐かしい曲が続いてそれなりに満足。それにしても、いくつかの歌は歌詞がが大画面に表示されるなど、どこがロックフェスなんだという場面の連続。渋谷陽一、完全にバカにされてるぞ…いや、これが渋谷の狙いなのかな(?)。ま、なにはともあれ最高に盛り上がって終了。

<まとめ>
その他、HMVのDJブースで踊ったり、お笑い(マキタスポーツ、シャカ、浅草キッドなどなど)のLIVE見たり、盛りだくさんだった。

個人的には、
1、サンボマスター
2,坂本龍一
3,真心ブラザーズ
をベスト3に挙げたいです。サンボは3ピースバンドなのにあのパワーはすごかった。「LOVE&PEASE」ではなく「愛と平和」と絶叫するあたりが最高にかっこいい。坂本龍一は「音」だけで勝負、という感じだったが…自然と体が動いてしまう、最高だった。あれで棒立ちのサザンファンは何なんだ。真心は、初日のレイクステージのとりだったんだけど、日が沈んで、いい感じになったところでのライブ。ミドルテンポな曲からアップテンポな曲まで、選曲が最高、ついついCDを買ってしまった。

残念だったのは、スネオヘアーの公演中止。単独のライブに行っちゃおうかな~。

う~ん、振り返ってみてこのフェスが「ロックフェス」だったかというと、かなり疑問。昔からではあるけど、ロッキンオンの「売れてりゃ何でもいいじゃん」的なのりが丸出しのフェスだった。だってグラスステージのとりが、初日リップスライム、2日目ミスチル、3日目サザン、サザンに至っては大画面にリリックまで表示されていた…んなロックフェスあるか! それはそれでいいんだけど、ああいうカラオケのりのフェスをロックの名の下にやってほしくない。とまぁ、うだうだ言ってますが、全体としては満足(どっちなんだよ)。サンボマスターはほんと凄かったしし、楽しい3日間を友人3人と共に過ごすことが出来ました。

とにかく、疲れたが満足の3日間でした♪ 来年も学生なので、サンボ&ハイロウズが出るようなら行こうと思う。この2組が揃わなければロッキンジャパンではなくフジロックに行きます。

◆◆◆

帰京すると、郵政否決→解散のニュース。これについては明日あたりに何か書こう。

at 17:45|PermalinkComments(0)旅日記