ブログ引っ越し完了/先週の授業(12月第3週)追悼/吉報

2009年12月31日

今年もお世話になりました

いつの間にやら(という枕詞を毎回のように使ってしまいますが)、2009年ももう残すところあと一日、大晦日となりました。



この一週間を振り返ってみると、これがなかなか大変な一週間でした。25日(金)はアルバイトを終えた後、大学へ向かって残務処理をして終わり、26日(土)はお誘い頂いた研究会で発表するために神戸に向かいました。博士課程一年の人間にとっては、研究会発表をすることそのものが貴重な経験ですが、特に、自分が普段から出席しているような関東の若手研究者や博士課程~ポスドクが中心の研究会ではないところで、発表できるということそのものが実にありがたいことです。

研究会では、現時点で一番完成度が高いものとして、某学会誌から掲載決定を頂いた研究を報告してきました。多忙な中、討論者を日本政治外交史・国際政治理論を専攻するお二人の若手研究者にお引き受け頂き、それぞれの先生から多面的なコメントを頂戴するとともに、フロアの多くの方からご意見・ご感想を頂戴出来たのは大きな収穫でした。この場に書くことにあまり意味はないのかもしれませんが、皆様ありがとうございました。

ひとまずの(そしてたどり着くのが困難な)目標である博士論文完成までは、どういった形で発表するものにせよ、個別の研究は様々なアプロ―チを試しつつ、色々な観点からのコメントを頂くことが出来るようにしたいと考えています。もちろん、ただ「突っ込み所満載」の未完成の研究ではいけないわけで、そのバランスが難しいわけですが、上記の自分の意識に照らしてみれば、今回の報告は(改善点の方が多いことを前提とした上のことではありますが)、ひとまず「自分にとっては成功」だったとまとめても問題ないのではないでしょうか。ただし、参加して頂いた方々にとってどうだったかについてはあまり自信がありません。

プレゼンテーションなどまだまだ鍛えなければいけない部分が多いことを前提としても、研究テーマそのものの意義、自分の主張の大筋については、大筋で納得して頂けたのではないかと思います。「ためにする」批判や質問のようなものは一切なく、私の研究を内在的に読み解いた上でのコメント・質問を幅広く頂戴出来たというのは、最低限の及第点くらいは自分につけてもいいのではないかなと振り返っています。とはいえ、あそこでこう言えば良かったといった点を挙げればきりはないわけで、2010年に向けての課題はどんどん積み上がるばかりです。

さて、ここまでは良かったのです。翌27日(日)、インフルエンザを発症してしまいました。39度近くの熱にうなされ、昨日までベッドから出ることが出来ませんでした。その結果、神戸から帰ってきたらやらなければと思っていたことが一つも出来ていません。そんなわけで、今年をじっくり振り返ったり、印象に残った本を紹介したりといった余裕もなく、ひとまず、部屋の掃除からと思っているものの、もはや今年も残すところあと数時間となり、何が出来るのか……。



民主党政権発足以降、大学院生にとって明るいニュースはほとんどありませんでしたが、今日は少しだけ明るいニュースです。日本政治学会の学会誌『年報政治学』が電子アーカイブ化されました(リンク)。

有力かつ伝統がある学会誌は、実に重要な論文がたくさんあります。とりわけある時期までの『年報政治学』は、中堅の有力な学者が力を入れて書いたであろう論文が多数収録されています。我々のような研究者の卵にとっては、過去の学会誌を手許に揃えることも難しいわけで、図書館でのコピーに頼らざるを得ないのが現状です。また、OCR処理がされているため、検索が容易に出来るということも、引用場所の確定をするためにも助かります。

また『国際政治』の電子アーカイブ化事業も順調に進んでいるようですが、「基本的には」各学会誌がデータとして利用出来るのは嬉しいところです。「基本的には」と書いたのは、電子媒体と紙媒体は、人文社会科学分野にとっては相互補完的なものであって、決して代替物にはなりません。それが、昨今の事業仕分けの流れにのって、電子媒体だけで十分ではないか、ということになりかねないか実に心配です。

と、結局は暗い話になってしまいました(苦笑)。2010年は、明るいニュースに満たされたいものです。



インフルエンザを老人に伝染すわけにはいかないので、この年末年始の静岡行きはあきらめ、記憶の限りほぼ初めて東京で年末年始を過ごします。大晦日を迎えてみれば、今年も充実したいい一年でした。来年は、研究成果を発信していく一年に出来ればいいなと思います。

皆様、良いお年を。


black_ships at 17:36│Comments(2) 日々の戯れ言 

この記事へのコメント

1. Posted by 評論豚   2010年01月01日 22:06
>年報政治学
学会展望も電子化されてるのが地味にありがたいですね。史学雑誌の「回顧と展望」もそうですが、紙だと自分の関心分野だけチラ見orコピーして後は読まないってことが多いので…

これなら暇な時間に他にも眼を通す癖がつきます。
2. Posted by 管理人   2010年01月05日 18:59
コメントを貰っていたことに気が付きませんでした 確かに「回顧と展望」の電子化は地味に嬉しいかも。

『国際政治』も電子化に向けて本格的に動き出したみたいで、ふと時間が空いた時に過去の研究を中身までチェック出来るのはありがたい限り。

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