2009年12月15日

先週の授業(12月第2週)

12月に入ってからとにかくやる事に追われる毎日を送っています。アルバイトの方も色々と忙しい時期で、それに加えて学内でやる研究会やらシンポジウムの手伝いやら、色々なことで時間が細切れになってしまい、その中で発表がいくつかあるというのは、なかなかしんどいものです。こうしたことを先生方は当たり前のようにこなしているわけで、いい修行だと思えばいいのかもしれませんが、ぺーぺーの博士課程一年でこれだけ色々なことが集中してくるとちょっとつらいものがあります。

そんなわけで今月に入って娯楽と言えるようなことは「坂の上の雲」のみです。ドラマを毎週見つつ就寝前の読書で原作を読むと、日々の生活に疲れながらも気分が盛り上がってきます。そういう気分になるのは、日露戦争へと向かうあの時代が戦前日本の「青春時代」だからなのでしょう(ちなみに戦後日本の「青春時代」は、御厨先生が『危機の宰相』の解説に書かれていたように高度経済成長期なのだと思います)。

いわゆる司馬史観に対する批判は左右を問わずあるわけで――実証的な歴史学者からの批判は当を得たものだと思いますが――、それは歴史学徒の一人として分かっているつもりですが、小説の持つ力や描かれる世界の魅力は嘘をつかないものだと改めて実感する毎日です。『坂の上の雲』を読み終わったら、次は矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん』(祝♪文庫化)を読もうと思っているのですが、最近の読書ペースだといつになることやら。



さて、そんな毎日を送りつつ本業もしっかりやらないといけないということで、先週末は某研究会で研究発表をしてきました。二本目の論文に当たる研究テーマで、修士論文とは違う時代かつ若干異なるテーマを取り上げたので、どう自分の議論が受け入れられるか、やや不安な部分もあったのですが、結果的にはそれなりに自分の研究の意義がうまく伝わったのではないかと思います。もっとも、10月末に院ゼミで発表した際の課題を、「しゃべり」の部分で処理した面が強いので、それを文章化していくに際してどのように詰めていくかが課題です。



水曜日

2限:国際政治論特殊演習(院ゼミ)

今回は後輩の発表でした。自分と修士論文とほぼ同じ時代(70年代前半)の米欧関係を取り上げた研究ということで、普段から話を聞いているというだけでなく、とても興味深く発表と授業での議論を聞きました。自分の研究に引き付け過ぎな感想かもしれませんが、この時代を見ていて面白いのは、日本というアクターが徐々に米欧関係の一部にも顔を出してくるということです。もちろん、50年代や60年代にも全く日本の存在感がないというわけではありませんが、その論じられ方が60年代の後半から70年代の前半にかけて質的に大きく変わっているように思います。

発表内容は普段から話していることなのでよく知っていることではあるのですが、修士論文の段階では苦しんでいた点がうまく処理されていたことや、全体の議論のバランスが格段に良くなっていたことはとても印象的で、自分も頑張らないといけないなと思わされ、とてもいい刺激を受けました。

木曜日

5限:プロジェクト科目(政治思想研究)

前回の記事に書いたとおり、政治思想の授業にも関わらずなぜか自分の研究をベースに発表することになったしまったので、色々と考えて「国際政治学の中の戦後日本外交史研究?」とテーマを設定して、ざっと普段考えていることをまとめてみました。

問題意識としては、アメリカにおける国際関係論(International Relations)とは異なり、歴史研究を含んだ学問として成り立っている日本の国際政治学を巡る状況を踏まえて、その中で戦後日本外交史研究はどのような意義を持ち、どのように研究を進めていくべきかというもので、実証的にちまちまと歴史研究をするだけではなくたまには書生論的なことをやってみよう、という試みです。

具体的には、国際政治理論と歴史研究、歴史研究の中での戦後日本外交史研究、といったことをそれぞれ検討した上で、自分の研究テーマがどのような意義を持っているのかを多少話してみました。ひとつには、政治思想においても理論(現代政治理論)と歴史(政治思想史)の関係がしばしば問題になることがあるので多少は議論を共有できるのではないかということ、もうひとつは、同じ単語が全く異なる意味で使われる国際政治学と政治思想研究を、多少なりとも架橋出来れば授業にとって貢献できるのではないかということが、隠れた目的でした。

まだしっかりとまとまった話ではなくこれ以上書くつもりはありませんが、この話は博士論文をまとめていく段階でまたしっかりと考えなければならないことだと思うので、これからも引き続き考えていくつもりです。

at 20:32│Comments(0)ゼミ&大学院授業 

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