2009年12月06日

先週の授業(12月第1週)/先々週の授業(11月第4週)

いくつかのバイトや研究発表、さらには高校時代からの友人の結婚式などが重なって、かなり一杯一杯の毎日を送っています。それにしても、仲の良い昔かららの友人が結婚すると……大学院博士課程という自分の選んだ道が正しかったのかと考えてしまいそうになります。

そんなわけで更新が滞りがちなのですが、あまりに書かないとブログの更新まで負担になってしまいそうなので(ただの本末転倒のような気もしますが)、休憩をかねて院棟から更新しておきます。

ひとまず先々週と先週の授業について。



まずは先々週の授業(11月第4週)。

水曜日

2限:国際政治論特殊演習(院ゼミ)

Painful Choices の輪読は前回まででひと区切りで、ここからしばらく院生の研究報告が続きます。先々週は、他ゼミ所属ながら昨年に続いて参加している後輩の修士論文中間報告がありました。具体的な内容を書くのは避けた方がいいと思いますので具体的な話は省略しますが、この後輩の研究も外交史(研究内容に即して正確に言えば「国際関係史」でしょうか)ということで、なぜ通貨に関する国際政治学が主著の先生の下にこれだけ外交史研究をする大学院生が集まるのは不思議でなりません。歴史が好きな先生であることは間違いないのですが……。

木曜日

5限:プロジェクト科目(政治思想研究)

基本的には日本語で行われるこの科目ですが、先々週はグローバルCOEのシンポジウム(リンク)のために来日されていたウプサラ大学のJorgen Odalen先生の「Fairness in International Trade」と題した英語報告でした。

国際貿易の問題は自分の研究にも関連してくるので興味深く聞きましたが、先生の専門が元々はグローバル正義論(=規範理論)であることもあってか、国際経済に関する様々な概念があまりに大まかに定義されていて、ややフラストレーションが溜まる報告だったのは残念だったところです。とりわけ気になった点は、現在の国際貿易と公平性をめぐるトリレンマとして提示されていたことが、全くトリレンマになっていなかったことです。

トリレンマとは「三つを同時に達成することが出来ないもの」であるはずで、例えば国際政治経済学でしばしば引かれるものとして、マンデル=フレミング・モデルから得られるインプリケーションとして有名な、国際金融のトリレンマ(?為替相場の安定、?自律的な金融政策、?国際資本移動の自由)などがあります。授業で提示されたトリレンマは?国民国家、?民主主義的な政治制度、?経済統合の深化というもので、ヨーロッパ政治で流行っている議論(例えば民主主義の赤字の問題)を念頭に置けば何となくこの三つの要素は理解できるような気もしますが、これは決してトリレンマではなく言うなればトリアーデではないでしょうか。

この他にも気になる点がかなりあり、いくつかの専門領域をまたいだ議論を展開するのは難しいのだということを改めて実感しました。



続いて、先週の授業(12月第1週)。

水曜日

2限:国際政治論特殊演習(院ゼミ)

前週に続いて院生の研究発表でした。今回は修士一年生による研究計画発表ということで序論的な話でしたが、普段はあまりなかなか考える機会がないテーマだったので興味深く聞きました。この後輩はさすがに外交史研究ではないのですが、次に発表する時には何かケースを選んで分析してくるようにと言われていたので、もしかしたら外交史研究に近くなるということは……ないと思いますが、どうなることやら(笑)

次回(今週)は、後輩にして博士課程同期の研究報告です。

木曜日

5限:プロジェクト科目(政治思想研究)

前週の講演(Fairness in International Trade)を受けての討論。国際政治理論を専門にする発表者が、政治思想専攻の先生・院生の前で国際政治理論を全面に押し出した発表をしたこともあって、やや議論が混乱していたというのが率直な感想です。前週とは違う意味で、ディシプリンの問題を色々と考えさせられました。少なくとも専門が違う人を前にして話す時は、専門用語を出来る限り一般的な用語に置き換えて、話を単純ということではなくエッセンスを抽出するという意味でシンプルにする必要があることは間違いないように思います。これ以上書くとやぶへびになりそうなので、この授業についてはこの辺りで。

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さて、授業前にさらりと伝えられた来週以降の予定変更の影響が大きく個人的に困っています。

この授業は学生にとって「呼んでほしいゲスト随時募集中」というとても有難いというか贅沢な授業で、今期私は『戦後精神の政治学 丸山眞男・藤田省三・萩原延壽』(岩波書店)を夏に刊行された宮村治雄先生をお願いしており、来週は宮村先生がゲストの予定でした。そんなわけで色々と来週に向けて準備をしていたのですが、先生のご事情で来週の授業がなくなってしまい、代わりに「討論者の二人が自分の研究発表をせよ」とのお達しが出されました。自分の研究発表をするだけなら別に構わないのですが、問題はこの授業が「政治思想研究」であることです。授業後にコーディネーターの先生に、「僕の研究に皆さん興味ないですよね?」と尋ねたところ「ない」と即答。さてどうしたものか……と考えて、政治思想史専攻の院生が多いので、自分の研究(戦後日本外交史)を素材に方法論的な関心に引き付けて検討するということを今は考えているのですが、何分時間がないのでいつ準備すればいいものか。

at 18:22│Comments(0)ゼミ&大学院授業 

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