2009年02月20日

メガネ!メガネ!メガネ!

先週末、二年半ぶりに眼鏡を買いました。

眼鏡は日々使うものとはいえ、使っているものが急に全く合わなくなるというわけでもないので、なかなか買うきっかけがありません。今回は、ふと大学に行く途中に買いたくなり衝動買いをしてしまいました。ドラクエIXの発売延期によって出費の予定が延びたという理由もありますが…。

これまで三回続けて買っていた店が潰れてしまったので、今回はZoffで買いました。

値段も同じようなものだし、そんなに違うものではないだろうと思っていたのですが、新しい眼鏡をかけてみると、微妙にレンズの感じが違ったので、慣れるまでしばらく時間がかかりそうです。これまで使っていた金縁(という程どぎつくはないのですが)も気に入っていたのですが、今回は主張が強めの黒縁にしてみました。



おカネの話にとりあえず決着を付けたので、ようやく読書の時間を取ることが出来るようになりました。そんなわけで、自分の研究関係の文献や海外の日本研究をダダダッと読んだり、『国際政治』の最新号等々をバイトの合間に目を通したりという日々です。資料の開示待ちをしているので、なかなか研究そのものが進まないのが歯がゆいです。そんな中で、先週真っ先に読んだのが細谷雄一・編『イギリスとヨーロッパ』(勁草書房)です。

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研究書は、大きく?単著、?共著、?編著の三つに分けることが出来ますが、日本の場合は単著に面白い本がそれなりにある一方で、少なくとも私の専門に関係する範囲では、完全な共著はほぼ皆無に等しく、さらに編著はただの論文集で統一的な問題意識もなく、率直に言って玉石混淆も甚だしいというのが実情だと思います。教科書や概説書の場合は、有斐閣アルマの各シリーズをはじめとしていい本も多いのですが、研究書に限れば共著や編著について、このように考えている人は多いのではないでしょうか。この点、海外では数多くの重要な共著や編著が多いのとは対照的です。

もっとも、この数年は徐々に状況が変わりつつあるのかもしれません。積読状態なので大きいことは言えませんが、曽我謙悟・待鳥聡史『日本の地方政治』(名古屋大学出版会、2007年)は本格的かつ見事な共著だと思います。また、これはこのブログでも紹介したことがある(リンク)、波多野澄雄・佐藤晋『現代日本の東南アジア政策』(早稲田大学出版部、2007年)は、分担執筆ながら本格的な歴史研究となっています。また、田所昌幸・編『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』(有斐閣、2006年)は、編著ながら実に統一性の高い見事な本です。また統一性はないものの、波多野澄雄・編『池田・佐藤政権期の日本外交』(ミネルヴァ書房、2004年)は、若手研究者による一次資料を駆使した最新の研究を集めたものとして重要な編著として挙げられると思います。

とはいえ、残念ながら上記の本は例外的なものであり、依然として編著はなかなか購入する気が起きません。こうした中で『イギリスとヨーロッパ』は、極めてレベルが高く読み応えのある編著です。編者の先生による紹介はこちら(リンク)。

200年というスパンで、イギリスとヨーロッパの関係を歴史的な視座から検討するという試みだけならば、それほど驚くことではないのかもしれません。驚くべきことは、執筆者のほとんどが担当している時期に関して本格的な単著もしくは博士論文を書いているということです。この結果として、この本には各執筆者の研究のエッセンスが詰まっているように感じました。

前半の三分の一で150年を取り上げ、残りの三分の二がこの50年に集中している点などは、帝国時代のイギリス外交にも関心がある私にとっては残念でもありますが、どの章もそれぞれ興味深く面白く読みました。そんな中で、もっとも面白く読んだのは第8章「サッチャーとドロール 1979―90年 劇場化されるヨーロッパ」です。サッチャーとドロールという強烈な個性のぶつかり合いが、背後にある思想や政治・経済的事情の変化とともに活写されているこの章の面白さはとても印象的でした。この章を読んで、The Presidency of the European Commission under Jacques Delors: The Politics of Shared Leadership (Basingstoke/NY: Macmillan/St Martin’s, 1999) は何としても読まなければ、という思いを強くしました。

以下は若干の感想です。

第一は、第7章「冷戦とデタントのなかで CSCEへの道とイギリスの役割意識、1951―79年」として別出しされていることです。各章が時系列順に並んでいる中で、この第7章だけが別出しの形になっているのは、単に執筆者の先生の専門の関係なのかもしれませんが、結果としてCSCEに至る過程をわざわざ別の章となったことは、この時代とテーマの難しさを象徴しているような気がしました。第7章で描かれる歴史を、各章に埋め込むのはなかなか難しいようにも思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか。

以上の問題とも関連するのかもしれない第二の感想は、冷戦をどのように考えるのかということです。本書が200年というスパンでイギリスとヨーロッパの関係を捉えるという視点に立つ以上、冷戦はその中の50年弱に関係する問題に過ぎないのかもしれません。とはいえ、ヨーロッパ統合と冷戦の関係をどのように考えるのかは極めて重要かつ本質的な問題だと思います。各章の叙述はうまくこの問題を埋め込んだものですが、第7章が、どちらかと言えば脱冷戦的なトーンでこの問題を論じ、他の章はより内在的にヨーロッパとイギリスの関係を検討しているので、本書全体としてはやや冷戦と統合の関係が見えにくくなってしまったような気もしました。

at 11:54│Comments(1)本の話 

この記事へのコメント

1. Posted by りんむー   2009年02月20日 14:06
このタイトルは「カメラ!カメラ!カメラ!」へのオマージュですね。

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