沢木耕太郎『危機の宰相』E・H・カー。

2009年01月08日

ジョセフ・ナイ駐日大使(?)。

修士論文を印刷所に出してきました。

色々と検討した結果、英米の資料を読み込んで反映させることをやめたこともあり、出来あがった論文は昨年書いたものとそれほど大きく変わるわけではありません。それでも、この一年は決して無駄ではなかったと思います。まず一年の間にかなりの数の文書が新たに公開され、去年はやや誤魔化しながら書いた部分を今年は自信を持って書くことが出来ました。また、昨年書いたものの一部を切り出して新たに一本論文を書いたことによって、自分の中でもやもやしていた部分がクリアになったように思います。

論旨や結論も昨年書いたものと大きく変わっているわけではありません。昨年書いたものが思いのほかしっかり書けていたということかもしれませんし、この一年で成長が見られなかったということかもしれませんが、これはおそらくより本質的な所に関わることなのだと思います。

英米の資料をうまく入れ込むことが出来なかったことも、論旨や結論が大きく変わらなかったことも、問題設定と分析視角が変えていないからではないかと今は考えています。その結果として、修士論文の問題設定と分析視角の限界も何となく見えてきたように思います。昨年は勢いに任せて客観的に自分の研究を見れなかったのが、今年は冷静に眺めることが出来るようになったことような気がします。これは自分にとって大きな収穫だと思います。



何気なくインターネットを見ていたら驚きのニュースが出ていました(リンク)。トマス・シーファー駐日米大使の後任が、ジョセフ・ナイ教授に内定したそうです。海外のニュース・サイトにはまだ何も出ていないので、朝日新聞のスクープということになるのでしょうか。

国際政治を学ぶ者にとってナイ教授は、教科書『国際紛争』(Understanding International Conflicts: An Introduction to Theory and History)や『ソフト・パワー』(Soft Power: The Means to Success in World Politics)などの著者として、またネオリベラルの嚆矢となったPower and Interdependence: World Politics in Transitionの共著者として誰もが知る、アメリカを代表する国際政治学者です。

実務家としてもカーター政権で国務次官補、クリントン政権で国防次官補を経験しており、国防次官補として日米安保再定義に深く関わったことは周知の通りです。大物議員や大統領とかなり近い関係にある大使がこのところは多かったので、そうした大使達と比べると一般的な知名度は落ちるのかもしれません。しかし、前回の大統領選でケリーが勝っていれば国防長官に指名されるとも言われていましたし、日米双方に持つ人脈ではこれまでの大使以上に優れているのではないでしょうか。

「30年後に文書公開されるのが今から楽しみです」と思わず書きかけてしまったのですが、外交文書とは言わないまでもどんな回顧録を書いてくれるのかはとても興味深いところです。まだ正式に発表されたわけではないので今から期待出来るわけではないですが、国際政治学者出身の大使ということでその動静にしばらく注目したいと思います。

at 21:00│Comments(0) 日々の戯れ言 

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沢木耕太郎『危機の宰相』E・H・カー。