レイモン・アロンにしびれる。先週の授業(10月第4週)

2008年10月26日

国際政治学会。

国際政治学会(@筑波)に、後輩二人と行ってきました。

二年前に千葉で開催された時に行くことも考えたのですが、まだ何を研究するのかも決まっていない段階で行っても仕方がないだろうと思い行きませんでした。今年は高い年会費を払って会員になったということもありましたし、師匠が関係している分科会に興味があったので行くことにしました。(筑波では働いている友人に会いに行くという隠れた目的もありましたが…)

様々な形で研究会が行われるようになったことや、若手の研究発表が増えたといったことから、学会で活発な議論が行われているという印象はあまりありませんでしたが、この印象はあまり間違っていなかったようです。それでも、研究をじっくり着実に進められている先生方の発表は聞き応えがあり、質疑に対する応答の仕方等も含めて面白かったです。

また、これは今からやるべきことではないのだと思いますが、自分の研究がしっかり固まって成果を残してからは、(いい意味での)「耳学問」をするにはいい場所なのかもしれません。自分の専門と重なる研究の多くは、研究者が個人的に組織している研究会等で聞くことも出来ますし、それなりに情報も入ってくるものです。しかし、注意しておくべき隣接分野で今どのような研究が行われているのかといったことは、仲のいい友人でもいなければなかなか分かりません。また、普段は研究できないけれども興味がある分野の研究を抵抗感なく聞いてみるいいチャンスでもあります。

本題はこれからです。結局、この修士三年(博士一年でもいいですが)という段階で学会に行っても、直接得るものはあまりないのかもしれません。たまたま知っている先生や先輩、そしてそれらの方々の知り合いの方と話をする機会はあれど、自分が何を研究していますという「名刺」になるものは、論文を公刊していなければありません。

そんな「たまたま」の機会に恵まれて何人かの先生方と話を出来たのは貴重な経験でしたが、「自分」について説明出来ることがない、もしくは「今これを研究しています」といっても渡す物が無いというのは辛いところです。そんなわけで、改めて「研究者の世界の最底辺」という修士課程の自分の立ち位置を確認できたことが今回の大きな成果です。

以上は、自分でも漠然と考えていたことですが、終了間際にある先生と話していた際に見事に指摘されたことでもあります。その先生は、そういった自分の立ち位置を再確認するためにも「院生は学会に出るべきだ」とおっしゃっていました。これはタイプがあるので人それぞれなのかもしれませんが、自分の場合は、今書いている論文に対するモチベーションが上がったので、やはり学会に参加してよかったです。

本や史料から得られる刺激だけでなく、人から受ける刺激や違った環境に身を置いた時に得られる刺激もやはり重要なものです。こうして「外」で感じたことを、「内」に戻って研究をする際のモチベーションに繋げることが何よりも大事なことなのだと思います。

at 20:45│Comments(0) 日々の戯れ言 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
レイモン・アロンにしびれる。先週の授業(10月第4週)