2008年08月31日

ゼミ合宿に行ってきました。

二泊三日のゼミ合宿(@修善寺)に行ってきました。

先生がこの二年間研究休暇だったので三年ぶりのゼミ合宿でした。前回参加した時は学部四年だったのが今回は大学院三年目。時間の過ぎるのは本当に早いものだなと改めて気付かされます。

三日間とも雨という予報で移動中は大雨にやられましたが、合宿中は時折晴れ間が見えるなど天気には恵まれました。色々と勉強・研究面で充実していたのみならず、美味しいお酒が飲めたことも良かったです。二日目の午後の自由時間には、修善寺温泉&源頼家の墓に行くことが出来たのは、史跡巡りが好きな自分にとっては予定外の嬉しいことでした。

三年前、四年前のゼミ合宿を思い出して、思わず懐かしい気持ちが込み上げてきたのは、順調に年齢を重ねている証拠なのでしょうか。四年前の戸隠、三年前の軽井沢の合宿、どちらもそれぞれ楽しい思い出として残っていますが、今年の修善寺合宿もまた楽しい思い出として、今後思い出すことになりそうです。



勉強関係について簡単に。

ゼミ合宿では、大量の本を読んで議論、三田祭に向けての作業、論文発表などをするのが普通だと思いますが、田所ゼミのプログラムは少し変わっていて、ヴァーチャル・ヒストリーに取り組むことが通例となっています。

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例年は、四年生が問題を作り、それを三年生が一晩かけて解き、翌日午前中に四年生が採点&評価発表、先生及び院生から講評という流れなのですが、今年はゼミ再開一年目で四年生がいないため、先生が問題を作り、先生と自分が講評という流れでした。

時間的には一晩かけて問題を解かなければいけない(正確に言えばヴァーチャル・ヒストリーを考えなければならない)三年生が大変なのですが、実は問題を考えて採点をする四年生もなかなか大変だということが、このプログラムのポイントだそうです。

また、通常の問題と違い正しい解答がないことも、もう一つのポイントです。そもそも起こっていない歴史を考えるわけですから、正しい答えがあるわけがありません。そして、正しい(とされる)歴史を知っている者が必ずしも有利というわけではない点もこのヴァーチャル・ヒストリーの面白いところです。中途半端な知識は、むしろ柔軟な思考の邪魔となることもあります。

論文の指導や、本をもとにしたディスカッションの場に院生がいると、どうしても知識がある院生がついつい「上から」指導してしまう傾向があります。しかし、ヴァーチャル・ヒストリーの場合は、単一の「模範解答」がないので、どんな答えであってもちゃんと考えているものは、「なるほど」と素直に関心されられるので、いい勉強になります。

こうしたヴァーチャル・ヒストリーそのものが持つ特徴に加えて、グループに分けて考えさせることが、このプログラムの重要な点です。田所ゼミの場合、(留学等で多少人数は減りますが)通常の授業は15人+先生で行われます。私のように口から生まれた人間は、どんな人数のどんな場所でもよく喋りますが、大人数の前だとなかなか発言をしない学生もいます。それが3~4人程度のグループとなると、発言しないわけにはいきませんし、逆に普段好き勝手に喋っている学生もうまく周りを説得しなければいけません。

そして今回の問題は、「1970年代前半に日本が対米基軸から離れていくシナリオを考えよ」というものでした。四年生が問題を作成する場合は、採点する時のことを考えて、出題の段階で細かくifを設定するのですが、今回は先生が問題を作成し回答者の裁量がやや大きく設定されているのが特徴的です。

一口に1970年代前半といっても様々な事件があります。例えば、ドル・ショック、米中接近、第一次石油危機などなど。このどれもが日本にとっては、対米外交の根幹に関わり得る大きな危機でした。そして、そのどこにifを設定するかによって、回答の始まりの部分から大きく歴史が変わってきます。

また、回答の終わりの時期が設定されていないことも今回の問題の特徴です。70年代で終わるのか、それとも80年代に入り冷戦が終わるのか、それとも90年代に至るも冷戦は終わっていないのか、こうした点が全て回答者の裁量に任されています。

それゆえ、例年に比べると三年生はかなり回答を作成するのが難しかったと思いますが、それでもどのグループもよく考えた面白い回答を作成してきました。もちろん、細かい点を指摘していけばキリが無いわけですが、柔軟に自分たちの頭で考えた仮想の歴史は、単に聞いていても面白いですし、その時代を考える際の視点を提供してくれるものです。

そういうわけで、このプログラムは院生の自分にとっても、十二分に楽しいものでした。当然のことながら問題を解いている最中は、各グループ間の相談は厳禁なのですが、院生の自分はそんなことは関係なく、各グループを回れるわけなので、その特権を生かしてふらふら見回ったり、院生の特権を生かして楽しんでいました。

合宿で無ければ出来ないこうしたインテンシブなプログラムがゼミの伝統として続いていくというのは嬉しいものです。



先生から、論文の草稿についてのコメントを貰うことになっていたので、自分にとってこの合宿は研究関係でも重要な場でした。

事前に草稿を渡していましたし、基になった論文もしっかり読んで貰っていたので、嬉しいことにかなり詳細にコメントを貰うことが出来ました。思いがけず好意的なコメントが頂けたので、「一からやり直し」ということにはなりませんでしたが、もう少しじっくり論文の意義付けをじっくり考える必要がありそうです。

資料の引用方法については修正するようにというコメントを貰いましたが(この文書によれば~というのが多過ぎる)、幸い論文のサブスタンスの部分はほぼこのままで行くことが出来そうです。問題は、この中身をどのように意義付けるのかということで、これは自分でも書きながら大いに迷った部分です。先生から色々とヒントを貰ったので、また少し「寝かせて」から考えることにします。

「この面白いテーマをこのまま出すのはもったいない」という先生の励ましの言葉を素直に受け取って、この論文の質を高めるべく、もう少し頑張りたいと思います。

at 23:35│Comments(0)ゼミ&大学院授業 

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