2008年04月16日

頭の使い方。

先週はガイダンスだったので、今日からようやく本格的な授業が始まった。

春学期恒例の「六本木遠征」が無くなってしまったので、水曜日は師匠の授業だけだ。

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コンパクトな本ながら、とにかく濃い本というのが熟読しての印象だ。「これくらいは知っていて当たり前だよね」ということなのかどうかは分からないが、ヨーロッパの知的伝統の蓄積を前提に書かれているので、文法的に分かっても内容が分からない箇所がままある。

今日はPrologueとPart?:International SocietyのChapter1 Origins and Structureが範囲だった。とにかくPrologueが難しい。Millenniumの話に始まり、Postmodern relativismなどの話をさらりと触れながらの導入は知的にかなり高度というか難解だ。その点で、具体的に内容に入っていくChapter1の方が分かりやすかった。発表者がかなりうまくまとめてくれたので、自分が読めていなかった部分を含めて何とか理解できた。

今回の授業は、本全体の導入ということもあり、先生なりの本全体の解釈を提示しつつ、やや総論的な議論となった。

研究発表にしても輪読にしても、ゼミ形式の授業の多くは発表者が内容報告やコメントを行い、それをもとに淡々と議論が行われるというのが通常のやり方だが、師匠の授業方式はこれとは大分異なる。発表の途中でも、重要だと思えばコメントや補足が適宜入っていくし、そこから浮かび上がる疑問を学生にぶつけてくるというなかなか緊張感がある授業だ。

そんな中で今日面白かったのは、いわゆる3つのR(Realism, Rationalism, Revolutionalism)とSolidarism & Pluralismに関する議論だ。こういった理念型が提示されると、学生はついついいつもの癖でそれを図式化して考えがちだ。この場合だと、例えば横に三つのRを並べ、縦にSolidarism & Pluralismを並べるマトリックスが出来上がる。そうすると、様々な考え方を6個に分類することが出来るわけだ。しかし、である。著者の意図はそういったところにあるだろうか。

本を読む時に著者の意図を考えるのは当然のことだが、授業の議論では先に述べたように、ついつい意図よりも提示された議論を論理的に突き詰めていくことに意識を傾注しがちになる。そこで根本に立ち返って著者の意図を考えてみよう、とうのが実質的に初回である今日の授業の展開になった。

本書の具体的な内容や紹介については、授業が全て終わったところで改めて書くことにしたい。

今日の授業を通して、この二年間すっかり離れていた、学部時代のゼミでの「頭の使い方」を思い出してきたような気がする。先週&今週は、学部ゼミの運営(?)について新しいゼミ生に説明をしたり、学部生当時の初々しさ(?)のようなものが蘇ってきた。これがうまく研究の進展にも繋がってくれればいい、などと考えてはいけないのだろうが、ともあれ今学期はなかなか楽しいスタートになった。

at 18:29│Comments(0)ゼミ&大学院授業 

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