研究とは家を建てるようなもの。寝る前の読書。

2007年10月14日

家族の本棚。

家族全員がそれなりに本を読むこともあって、一般的な家庭と比べると我が家には多くの本があると思う。もっとも家が狭いので、当分読みそうにない本は段ボール箱に入れておいたり親の実家に送ったりしているので、ぱっと目に入る本はおれの部屋を除けばそれほど多いわけではない。家族が本好きでいいのは、読みたいけど自分が持っていない小説なんかが結構家に転がっていることだ。80年代生まれにもかかわらず「第三の新人」とかが好きな俺にとって、この環境は最高に贅沢なものである。

先日、『輝ける蒼き空の下で』という北杜夫の小説を探していたところ、親の蔵書から思わぬ発見をした(ちなみに『輝ける蒼き空の下で』は北杜夫にしては珍しく「真面目」な大河小説の傑作だ)。その発見というのは『小原直回顧録』(中公文庫)。まさか親の蔵書からこんな発見があるとは思わなかった。親に聞いたところ「そんな本を読んだ記憶はない」との回答だったが、発見した段ボール箱には松本清張の『昭和史発掘』(文春文庫)があったから、その流れで読んだのだろう。人間長生きすると自分が読んだ本を忘れるのか、とちょっとした衝撃だったが、よくよく考えれば自分も本棚に置いてある小説の内容がさっぱり思い出せなかったりするので、あまり変わらないかもしれない。

さらにいくつか読みたかった小説が見つかったのは嬉しい発見だ。昔の本なので字が小さいの点にやや難ありだが、それでもこうやって読みたかった本を発見するのは楽しいものだ。ばらっと置いてある本を見ると、父は読書傾向が濫読イナゴ型(こんな表現はないと思うが)だったようで、無傾向に色々な作家の作品がずらっと並んでいる。ある本を読んで面白いと思うと、その作家の作品をひたすら買い集めて読んでいたのが蔵書からも伺える。んー、この親にして自分あり、と感じてしまう。

そんなことがあると探索を続けたくなるというもの。ついでに近くにあった弟の本棚を眺めたところ衝撃的な一冊を発見した。『拡大○○○○○の挑戦』という新書が置いてあるではないか。一昨年の不快な思い出が蘇ってくる。弟の本棚にあった唯一自分の専門分野に近い本がそれとは…。

at 22:52│Comments(2) 本の話 

この記事へのコメント

1. Posted by 浜   2007年10月15日 13:17
>拡大○○○○○の挑戦
うひゃひゃ
私の場合、件の本がテキストで同じ年に授業を受けていましたが、この人は基本的にいい人なんだろうなあという印象を受けました。
ただそれだけでしたが。
2. Posted by 管理人   2007年10月15日 18:00
珍しい人からコメントがあると思ったらそこに反応か 苦笑

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研究とは家を建てるようなもの。寝る前の読書。