ネット時代の恩恵。3月10日。

2007年03月09日

卒論発表会。

あー年取ったなー、と感じる瞬間がいくつかある。その一つは、同じ行事(?)のようなものに違う立場で参加した時だ。今日はその一つである、「卒論発表会」に参加してきた。

昨年は先生や先輩の院生達もいたし、一人あたり30分弱の持ち時間で半日かけてやった大きなものだった。今年は先生がサバティカルで在外研究中ということもあり、こじんまりとやった。元々、今年の卒業論文は義務でも何でも無く、書きたいという意欲を持った有志のゼミ員が執筆したものだ。

テーマも人それぞれで、各論文のキーワードをざっと挙げると「林董」「ブレスト=リトフスク条約」「ド・ゴール」「人間の安全保障とポスト構造主義」「戦犯釈放」「旧ユーゴ紛争」といった感じだ。今回は各執筆者に、他のゼミからゲスト二人を加えての合評会だった。発表者の数人とは、先輩後輩という関係ではなく仲の良い友人として付き合っているので、俺も参加した。

全ての論文をしっかりと読んだわけではないが、どの論文も学部生の卒業論文としては十二分に書けているし、書き手の「やる気」や「思い」が伝わってくる論文だった。日本語だろうと英語だろうと必要な文献はしっかり読む、必要であるならば一次史料にもあたってみる、そんな姿勢をみながみな進学志望でない学部生の卒業論文に共通して存在していることは素晴らしいことだと思う。

みんなの発表を聞き、自分の修士論文を頑張らなければという思いを強く持った。

と、気合いを入れ直して研究のみに没頭するのかというとそうでもないのが、人間の性だ。帰宅後、昨日に続いて映画を一本鑑賞した。といっても今日はDVD。

96ce375e.jpg

松田優作主演の「家族ゲーム」だ。「空中庭園」と「アメリカン・ビューティー」を最近観たばかりなので、何となくその流れで観てしまった。でも、率直に一番の傑作は「家族ゲーム」だと思う。何より松田優作が恰好良い。松田優作の作品は結局ここに行き着いてしまう気がする。この作品が公開された80年代前半は、邦画の退潮期で最も元気が無かったと言われる時代だが、やっぱりどの時代にもいい作品というのはあるんだなと再確認した。

あくまで個人的な感想だが、森田芳光監督の作品は、出来不出来の差というか自分の中での好き嫌いの差が激しい気がする。「家族ゲーム」は「阿修羅のごとく」と並んで、最高の出来だ。

at 23:52│Comments(3) 映画の話 

この記事へのコメント

1. Posted by おがしゅー   2007年03月10日 23:47
お忙しい中、卒論発表会にお越し
頂きまして、ありがとうございま
した。
最終的には少人数での卒論集作成に
なってしまいましたが、それでも
皆で協力して形になるものを残せた
ことはとても嬉しく思います。
修士論文、頑張ってください。
2. Posted by ごろ   2007年03月11日 21:38
ほんまありがとうございます。
修論がんばってください。
日本語・・訂正できるかな!?w
3. Posted by 管理人   2007年03月12日 00:35
>おがしゅー&ごろー
いやいや、こちらこそ感謝だよ。やっぱり後輩があれだけ頑張ったら、こっちも気合いを入れ直して修士論文を頑張らねば、という気になるわけだし。おがしゅーは、あれだけマイペースな卒論執筆者をまとめたんだから、本当に大変だったよね。お疲れ様です。おがしゅーの卒論も力作だよ、その辺は自身持っていいんだよ。ごろーのお陰で、大分ド・ゴール理解が深まったよ。結果的に、読みやすい日本語になったのには俺も少しだけ貢献できたのかな。でもどれだけ読みやすかろうが、論文は内容あってこそなわけだから、お互い切磋琢磨して大学院で頑張らないといけないなー。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
ネット時代の恩恵。3月10日。