12月12日。12月14日。

2006年12月13日

一日限りのゼミ復活。

毎週のことだが、水曜日は一日が長い。



1限、歴史政策論。

この授業の副題は「オーラルヒストリーと外交政策研究」。実際に取り上げるのは基本的に戦後日本外交である。戦後日本外交が研究対象であり、またこの夏に某元議員にインタビューに行きオーラル・ヒストリーを作成した自分のためにあるような授業である。偶然ながら本当に有難い。毎週テーマを変えながら資料としてオーラル・ヒストリーを使ったレポートを事前に提出していると、オーラル・ヒストリーの意義と限界が段々と明確になってくる。

今日のテーマは「日韓国交正常化」である。周知のように、北朝鮮との関係もあることから日韓国交正常化に関する外交文書は日本ではまだ公開されていない。昨年韓国側の文書を用いた研究が公刊されたが、やはり日本側の視点はまだまだ明らかにされたとは言いがたい。

今回は、日本の外交官のオーラル×3、新聞記者&野党関係者のオーラル、アメリカの文書を使った先行研究、戦後日韓関係の通史、をそれぞれが担当して議論した。ちなみに俺の担当は、柳谷謙介元外務事務次官のオーラルである。このオーラルについては一昨日の記事に書いたとおりであり、なかなか読み応えがあった。

使用した文献は一応すべて目を通したのだが、日韓国交正常化に関しては、現段階ではまだ確定できないことが非常に多く、現在あるオーラルや周辺資料で研究を行うのはかなり危険だな、という印象を持った。そういう意味では今回はオーラルの「危険性」がよく見えた授業だ。



昼前に三田に移動し、発表の準備をする。今週&来週は発表&レポートが多く厳しい。

3限、日本政治論特殊研究。

今回は研究発表の回の担当だった。発表の半分は、合同演習での発表(戦後日本外交史の先行研究の整理検討)を修正したものにした。ただ、持ち時間は今日の方が多いので、やや詳細に発表が出来た。残りの半分は、この夏に実施したオーラルを使った議論を試論的に行った。

この授業は戦前の日本政治史であり、当然参加者も戦前の日本政治史が専門の方々である。頂いたコメントの三分の二が資料の話だった辺りが、やはり戦前の政治史学者らしいな、と。隣接分野の方からのコメントは専門に閉じこもっているとなかなか見えないコメントが多いので、自分にとっては有意義な発表になった。



1時間ほど空いて、16時からは学部ゼミに。

サバティカルで英国留学中の師匠が一時帰国しており、学部ゼミの卒論中間発表会が行われたのだ。この時間は合同演習がありどうしようか迷っていたのだが、師匠のコメントを聞く機会はこれを逃すと当分無さそうなので、こちらに参加することにした。

去年は「冷戦終結」という統一テーマがあったが、今年はテーマが自由。かつ今年は執筆も任意ということで、書きたい人が書きたいことを書く、ということになっている。その分みんなのモチベーションは高い。だから発表を聞いていても、そして先生のコメントを聞いていても素直に楽しい。まあ、面白かったことはそれだけではないのだが…。

ゼミ後は、久しぶりに先生を交えての飲み会。一日限りのゼミ復活。

at 23:59│Comments(2) 日々の戯れ言 

この記事へのコメント

1. Posted by おがしゅー   2006年12月15日 01:01
一昨日はお疲れ様でした。先生、
お変わりなくお元気そうでしたね。
論文その他、今後ともよろしくお願い
します。
2. Posted by 管理人   2006年12月15日 12:15
>おがしゅー
いつもいつも連絡役や取りまとめ役ご苦労さん。
うちのゼミはおがしゅー無しだと成り立たないよな、本当に。
論文関係で相談があればいつでもどーぞ。来週水曜以降なら、いつでも親身に相談に乗ります。

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