2006年11月23日

お祭り。

今日から大学のキャンパスはお祭りだ。去年は、友人達がカフェ、とはとても言えないが、酒を出す店をやっていたので楽しかったんだけど、今年はもう院生だし、三田祭だから何かあるというわけでもない。院棟のキャレルはこんなお祭りの最中でも使えるので、キャレルで過ごした。授業の準備が色々とあるのでキャレルがあるのは本当に助かる。インナーイヤー型のイヤホンで音楽を聴きながらやっていれば、三田祭の音もそれほど気にならない。

が、こんな生活を四日間も送るのもつまらなそうなので、明日以降は地酒でも飲みに行こうと思います。

今日は時間があったので、授業の準備とは関係の無い新書を一冊読んだ。

b127e45e.jpg

春原剛『ジャパン・ハンド』(文春新書)
 著者は『米朝対立』などの著書で知られるジャーナリストである。新聞記者の書いた国際政治関係の本は、その出来不出来に大きな差があるように思うが、本書はジャーナリストならではの良書である。
 「ジャパン・ハンド」とは米国の知日派のことである。帯やトビラには、ジャパン・ハンドが「日米同盟の命運を握っている」と扇動的に述べられているが、これはあながち間違ってはいない。日米関係の歴史を概観してみると、日米双方ともに限られた人々が日米関係の維持・深化に心血を注ぐ様子が垣間見えてくるからだ。ブッシュ政権を考えても、(今は政権から離れているが)R.アーミテージとM.グリーンの二人が日米関係にとっていかに重要であったか。本書はこのジャパン・ハンドという難しいテーマに、抜群の取材力と人脈を生かして切り込んでいる。
 もっとも、本書は決してまとまりのいい本とは言えない。本書の概要を説明しづらい理由の一つは、一冊の本としてのまとまりに若干の問題があるからとも言える。しかし、それは本書の価値にそれほど影響するものではない。本書は、様々な角度から、ジャパン・ハンドとは何か、ジャパン・ハンドは何をどのように考えているのか、といったテーマに取材力と人脈を生かして切り込んでいる点にこそ、その価値があるからである。言い換えれば、本書には何か斬新な分析視角があるというわけではない。そうではなく、貴重な情報が数多く詰まっているのである。
 本書の中でとりわけ興味深いのが、1995年と2006年にそれぞれ実施されたジャパン・ハンド50人への日米関係に関する意識調査である。日本にとって、その時代に最も重要ともいえるジャパン・ハンド50人が日米関係についてどのように考えているのか、ということそのものが非常に貴重な情報である。そして、それがこの11年間にどのように変化したのか、これも興味深い情報だろう。
 本書と同じようにアメリカの知日派に注目しているものとして、『外交フォーラム』に村田晃嗣同志社大学教授が連載した「ジャパン・ハンズ アメリカ知日派の系譜」がある。この連載では、アメリカの駐日大使館に勤務した外交官達が取り上げられており分析対象は限られているのだが、戦後50年間が取り上げられているので、本書の横の視点に加えて、縦の視点を得ることが出来る。本書と併せて読むと、より理解がジャパン・ハンド達への深まるのではないだろうか。

at 23:24│Comments(0)本の話 

コメントする

名前
URL
 
  絵文字