2006年07月22日

長期休暇の雰囲気。

昨日のショックを引きずりつつ大学へ。多分まだ学部の試験は終わっていないと思うのだが、土曜日ということでほぼ休みの大学状態。図書館も静かだし、極めて快適。

この大学の雰囲気、比較的自由に時間が使える感覚、この辺が何となく長期休暇っぽくていい。

長期休暇恒例ということで、今日は午前中にプールに行ってきた。ほぼ半年ぶりということもあり、とにかく疲れました。調子に乗って少し泳ぎすぎてしまった。水泳は全身運動だからオーバーワークは全身に響いてくる。う~ん、身体に嘘はつけない。

が、この疲労は心地良いもの。あー、海行きたいなあ。

今日読んだノンフィクション↓、再刊を機に再読。

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手嶋龍一『たそがれゆく日米同盟』(新潮文庫)
 絶版になっていた『ニッポンFSXを撃て』(新潮文庫)の再刊。著者は元NHKのワシントン支局長であり、現在はフリーのジャーナリストである。率直に言って、得られる情報が減った現在の著者の発言は信頼が置けないものもある。しかし、本書や『外交敗戦』(『1991年 日本の敗北』の再刊)などNHK時代に執筆された本は非常に質が高く、そして面白い。
 本書が取り上げているFSX(次期支援戦闘機)問題は、いわゆる「防衛摩擦」の象徴的なものの1つである。日本の防衛関係者にとってFSXの自主開発は悲願であった。FSX問題には2つの局面がある。第1の局面は、FSXを何としても「日の丸戦闘機」でと願う日本と、日本の独自開発を認めたくないアメリカとの交渉である。結局ここでは「日の丸戦闘機」は認められず、日米共同開発という形になった。そして第2の局面は、この共同開発という合意を巡るアメリカ国内の議論である。ここでは日米貿易摩擦などの問題も絡み、議会や行政府を巻き込んだ大激論が交わされることになった。この2つの局面に、本書はインタビューを駆使して深く切り込んでいく。この辺りの仕事はジャーナリストならでは。外交文書が公開されていない時代の研究にインタビューは不可欠だが、公式な会談のみならず非公式ルートにまでインタビューを行うことは学者にとってはまず無理な仕事だ。
 本書が興味深い点は大きく2つある。1つは、その内容の面白さである。冷戦が終わろうとするまさにその時に、アメリカ議会が日本を「敵」として見ていた側面を本書は見事に描き出している。FSX問題を通してより広い日米関係が見えてくる。この点は本書を一読して貰えれば納得してもらえるだろう。もう1つは「たそがれゆく日米同盟」という認識である。本書が単行本として出版されたのは1991年である。我々は、冷戦後、1996年の日米安保共同宣言に結実する日米安保再定義などを経て、日米関係が強化された歴史を知っている。しかし確かな同時代認識として「たそがれゆく日米同盟」があったということは強く認識されるべきことだろう。安保や防衛に引きつけて日米関係の歴史を論じる際には、「西側の一員」としての1980年代、湾岸戦争、日米安保再定義、と論じてしまいがちである。しかし、1980年代後半には防衛問題でも日米は強い緊張関係にあったのである。この点は重要であろう。
 著者の『外交敗戦』と併せて、冷戦終結前後の日米関係に関する必読文献として推薦したい。

at 23:49│Comments(0)本の話 

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