2006年05月27日

ほーほー。

雨で早慶戦は中止、が心なしか大学に人が少ない気がする。野球は好きなんだけど、もう優勝も決まっている消化試合を見に行く気にはなれないなー。というわけで、今日は大学にこもって課題文献や関連文献をこなし文献リストを作り、と授業関係のことをしているうちに一日終了。

今日の成果の1つ↓

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佐道明広『戦後政治と自衛隊』(吉川弘文館)
 『戦後日本の防衛と政治』で知られる著者による、一般向けの戦後日本の防衛政策に関する通史。前著が博士論文を基にした学術書だったので、それを一般向けに書き改め、さらに時代も最近までカバーしたのが本書である。資料の引用が多かった前著とは一転して、戦後日本の防衛政策が自衛隊を中心にどのように変遷していったのかが描かれており、非常に読みやすかった。筆者が前著で明らかにした最先端の研究成果を踏まえた通史として本書の価値は非常に高い。具体的な内容は『戦後日本の防衛と政治』の書評に譲ることにして、ここでは前著と比べて本書がどのような点で有用であるかを述べたい。まず第一点目として、一般向けに書き改めることは内容的にも量的にも「贅肉を落す」が求められる。筆者が一般にも意味があると感じた研究成果がどの部分にあったのか、それが本書からは浮かび上がってくる。二点目は、前述のように時代を最近までカバーしていることである。前著は博士学位取得のための歴史研究であるという制約もあり、時代としては中曾根時代までしか検討対象としていなかった。しかし本書では、冷戦後の新防衛大綱の策定のみならず、記憶にも新しい新防衛大綱の改定についても検討している。資料が決定的に少ない本書の後半部分の記述がどれだけ専門家の評価に耐えうるかは未知数であるが、ひとまずは1つの形にしてまとめたことに意味があるのだろう。専門的な歴史研究といえども、その歴史的な知見や明らかにした事実が現在にどのように影響しているか、という点に読者の関心は行き勝ちである。そのような読者の関心に本書は応えたといえよう。さらに、本書には防衛計画の大綱に関する巻末資料も付されており有用である。前著『戦後日本の防衛と政治』との併読をお薦めしたい。

at 23:04│Comments(0)本の話 

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