2006年04月30日

GW2日目。

GW、今のところ順調に色々なことがこなせている。図書館で『国際政治』の最新号に掲載されている論文を何本かコピー、その他論壇誌をチェックし、後は読書。比較的効率よく動けたんじゃないかな~。

リベラル・ナショナリズム論をプロジェクト科目で取り上げた時にも出てきたミラーの本↓

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デイヴィッド・ミラー『政治哲学』(岩波書店)

 岩波書店から<1冊でわかる>シリーズとして翻訳されている、オックスフォード大学出版局の"Very Short Introductions"の1冊。<1冊でわかる>という日本語シリーズ名はいかがなものかとも思うが、このシリーズはどれもコンパクトかつバランスがいい本が多い。
 本書は、ケンブリッジ大学のフェローであるデイヴィッド・ミラーによる政治哲学の入門書である。一般的な傾向としてこの手の思想系の入門書は、思想家を取り上げる政治思想史ではない政治理論や政治哲学などであってもやたらと固有名詞が羅列されている本が多い。それはそれでもちろん意味のあることなのだが、ともすると読者は固有名詞を覚えることに汲々として、より本質的な過去の政治哲学の営みを見失ってしまうかもしれない。本書では、そのような心配はいらないだろう。むしろ、あまりに固有名詞が出てこないことにこそ本書の特徴があるといえるかもしれない。ページを割いて説明されるのは、プラトン、ホッブズ、ミルくらいのもので、その他の思想家や哲学者について概説されているわけではない。かといって挙げられていない思想家や哲学者を無視しているわけではない。有形無形に様々な箇所で様々な思想家の顔が見えてくる。
 具体的な構成は、以下のとおりである。まず、政治哲学とは何かという根本的な問いを立て、それについて筆者の考えを述べられる。そして政治的権威、デモクラシー、自由、といった古典的な政治哲学のテーマについて論じられる。またそれにとどまらずフェミニズムや現在のグローバリズムなどについても本書は論じている。入門書や概説書に最も求められるのはバランスであるが、本書はこのバランスが非常に優れている。シリーズ名どおり政治哲学の「Very Short Introductions」としておすすめできる1冊。

俺が薦めなくても学部の政治哲学の授業でも参照文献として挙げられているわけだけど…。

at 23:08│Comments(0)本の話 

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