2005年11月29日

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一昨日のエントリーに対するコメントで後輩から「老婆心」という言葉を頂きました…!。ま、元から後輩とは思ってないんだけど、ちょっと面白い。さすが2年の時に合同ゼミ相手の4年に説教しただけのことはある(笑)。

「老婆心」云々のところについてはそんなに心配ないからご安心を(個人的メッセージ)。このブログには書いてないけど、自分とは異なる意見(色々な意味で)には誰よりも目を通しているし、常に自分を相対的に見ることが出来るように心がけているから。『国際関係論とジェンダー』とかね。反面教師の○○さんの本もちゃんと何冊も読んだし。最近の目標は、「可能な限り人に分かる言葉で話すこと」、つまり専門家にしか通用しない言葉を出来る限り使わないということ。

ちなみに読書をする際に最近心がけているのは、自分の専門分野(日本外交&国際政治)に関して「5分10分で要旨を理解すればいい本と、じっくり読む本を選別出来るようになること」だ。これは入江昭の本を読んで以来のこと。最近ようやくこのこつが分かってきた。もっとも、これは人によって違う基準なんだろうし、誰かに教えるつもりもないんだけどね。読まなければならない本は大学院に入れば莫大な量になるわけで、そこにづお対処するか、これは何とかなりそうだ。

軌道修正。ちゃんとコメントしないといけないのは、

分科会の報告を振り返ると、主に中国にたいするステイタスクオを「願望」するアカデミズム、スペシャリストによって、日本外交に対する政策に問題が生じている。それを踏まえた上で、戦略的政策を考察しなければならないのではないか。
 
 こういった内容だったと思うが、では「あの報告」の背景にはアメリカのステイタスクオを願望する背景が潜んでいるのではないか?と自身は考えています。すべての前提において日米関係は「現状」であることを仮定しているのではないか?もし、中国を「変数」として捉えるならば、なぜアメリカは「変数」として捉えないのか?捉えているならば、報告に含めて欲しかった。ぜひその点に関して聞いてみたいところであります。


という部分について。一応、話に補助線を付けておかないといけないと思うので簡単に週末の議論を紹介する。分科会テーマは「東アジア安全保障共同体を目指して」ということで議論が行われた。で2泊3日の議論後、俺と友人の意見を95%反映した報告を限られた10分という時間の中でやったわけです。というわけで、もちろんそれに合わせた分量の報告になった。

具体的な流れはちゃんとしたレポートを友人と共著で書こうと考えているので省略するが、議論の前提となる国際政治認識は…

?東アジアで安全保障問題を考える際に最も重要なのは米中関係であり、中国と米国が根本的に単独行動主義の国である、という点で将来的な対立の可能性があるということを常に意識しなければならない。
?現在の秩序は米国主導で成り立っている。一方、中国は(この秩序に挑戦する可能性を持ちつつも)米国主導の現行秩序の中で行動している。
?以上のような戦略環境にある東アジアにおいて、「同床異夢の戦略的共存」が成立している今は、協調的安全保障推進する戦略的好機にある。

と、どこかで聞いたことがある議論、というか俺の大学院での指導教授の議論にかなり乗っかっている。でも、ゼロから2人で考えた結果としてこの結論になったというのは重要。ようやく「ミドルパワー外交」論の入り口に立つことが出来た、といったところかな。

再び軌道修正。そこで引用したコメント「『あの報告』の背景にはアメリカのステイタスクオを願望する背景が潜んでいるのではないか」についての俺の意見は↓

米中関係そのものを考える上での、理論的問題関心という意味ではその通りだと思う。でも、現在の国際秩序は我々が考えている以上にアメリカ主導でつくられたのも事実であり、またそれは現在も持続している。この持続は中長期的なもの(中国の「現状維持政策」とは時間的な長さが全く異なる)。「あの報告」が現在を起点にした戦略について考えていることを考えれば、アメリカのステイタスクオを前提とすることは当然のこと。

ということ。ついでに1つ付け加えると、報告の重点はこの現状認識の先にあるわけで、そちらこそ個人的には重要だと思ってるんだよね。あと、アメリカ主導の国際秩序が失われる、ということはそうそう無いと言い切れる。もちろん「アメリカ主導の国際秩序」の定義によるわけだけど。アメリカを考える際に重要なのは、アメリカ主導の国際秩序の崩壊よりも、それにさえ反対することのあるネオコンが政策を動かしたケースの見極めなんじゃないかな。とはいえネオコンの過大評価も禁物。ブッシュ政権の政策形成過程をウッドワードの『ブッシュの戦争』『攻撃計画』や春原剛『米朝対立』あたりを参考に考えてみても、それなりに「合理的」な思考をしているんじゃないだろうか。

以上の話は具体的にどういった報告をしたのかが分からないとほとんど意味が分からないかもしれない。卒論&授業の発表に目途が付いたら、ここでの話も含めてレポートの形にまとめます。

◇◇◇

今日の地域研究論特殊研究?では、比較政治学と地域研究の関係、認識としての2元論と3元論の問題、西洋で生まれたデモクラシーを尺度に途上国を見ることの問題、などなど非常に興味深いテーマが議論になった。これは時間が出来てからちゃんとしたコメントをします。

at 22:22│Comments(2)アウトプット(?) 

この記事へのコメント

1. Posted by うっちー   2005年12月05日 19:01
 コメント★まずは、別に悪く言ってないから誤解なきように。外務省は金○にとって最高の誉め言葉となるだろうし、形にまとめて発表することの難しさを最近、節に感じているのでああいうコメントしただけっすよ。
 さて、再論についてですが、大半は「まったくもってそのとおり」と理解できますが、一つコメントの核心に関して誤解があるかもしれないので追記します。
 「アメリカのステイタスクオ」の部分なんですが、現在の国際環境の中からの視点では先輩の言うとおりなんです。それについては禿同★しかしながら、もっと次元を下げて、日本の視点に立った「日米関係」という観点からはどうでしょうか?あの報告にはやはり既存のものとしての「日米同盟の堅固さ」が前提にあったものと思われます。東アジア戦略とはいえ、まさしく先輩のいうように「現行国際秩序を語る上では米国抜きでは語れない」でしょう。その点であの報告にはアメリカという「変数」が全く抜けていたと考えられるのですが。。
 ま、あとは今度直接あって話しましょうか、苦笑。
 P.S.先輩がよく知るうちの大学の院生とこの前話して「飲み会を実現しよう!」と盛り上がりました。そのうち年明けにでもやりませう♪
2. Posted by Dai   2005年12月11日 08:29
I am writing this comment from library, so I cant write in Japanese,,,forgive me.
Anyway, I enjoyed you guy's discussion, I haven't heard such a high level discussion for long time.
I strongly felt the differnt approaches between you two.
I thought Toritori's analysis is basically based on "Realism." On the other hand, Uuchi expressed his opinion from "Constructivism."
I dare to express my opiniton from "Liveral" point of view (even though I am not liveral) to stimulate this discussion.
I think both China and the U.S. are deeper embeded in Global economy than any other historical moment.
For example, Wal-mart is now the eight biggest trade partner of China.
Taking into consideration this economic interdependence, I think costs of conflict is tremendusly high.
Since economic interdependece works as detterence of conflict, I think "overexaggerated" Japan-U.S. alliance is useless. This will hinder cooperation of East Asia.
I am looking forward to constructive objections!!!

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