月曜なのにだらだら。やっぱり、だらだら。

2005年10月25日

だらだらだら。

3限、地域研究論特殊研究?。今日はLinz&Stepan, Problems of Democratic Transition and Consolidation, Chap.1“Democracy and Its Arenas”を扱う。今回は13頁ということで時間的にはかなり助かる。毎週これぐらいずつなら英語も苦にならないんだけどな。「民主化への移行の定着」はどのような条件の下で達成されたといえるのか、が明快な論旨で展開されている論文。ある後輩が「この論文で民主化の条件とされているものと、国家が機能している、ということの違いがいまいち分からない」というようなことを質問していたのだが、俺もそれは感じた。この論文では民主化された社会における5つのアリーナとして、?市民社会?政治社会?法の支配?官僚制?経済社会、が提示されそれぞれの条件が論じられている。非常に分かりやすい論文…が、相変わらず議論の展開はいつもと同じ。議論の前提条件として欧米流の民主主義観を懐疑的に見ることは重要だと思うが、それに対してオルタナティブを出さずに議論を続けるのは不毛。結果として、論文を読んで得られる以上の知見が、授業で得られるわけではない。誰かが興味深い質問や問題提起をしても、議論が変えられてしまい、それに対する返答が得られない。知的にはストレスが溜まる授業。

昨日に引き続いて今日もだらだらしているうちに夕方に(途中、中等部に顔を出してきたのだが)。それにしても、大銀杏の下に大量に落ちる銀杏で盛り上がる大学生ってのは本当にどうなんだろう。

夜は(というか5時半からなのだが)、高校時代ボート部で一緒だった友人と久々に飲んだ。友人は大学でもボートを続け主将まで務めた。ほんとに仲が良かった友達とは1年ぶりだろうと、違和感はないし話が尽きることがない。それにしても、4年間という大学時代は人間を大きく変えるものだ。友人との飲みには、俺の大学に入ってからの友達であり彼とは普通部時代に友達だった、共通の友人が一人途中参加、んでその後俺は途中参加の友人の所属ゼミの飲み会へ。塾内進学者はこうやって繋がっていくから面白い。それにしても、この秋学期はあのゼミに引き寄せられ過ぎているような…。

at 23:01│Comments(4) 日々の戯れ言 

この記事へのコメント

1. Posted by E.T.   2005年10月28日 20:46
んー、やっぱ、興味深い、面白いと感じるツボって人によって様々なんだね。
地域研究者ってのはああいう議論が面白いし、好きな人種なんだよ。
もちろんそれぞれの頭の中では自分のフィールドを思い浮かべてるわけだけど。
オルタナティヴ出さずに批判を続けるのは、たしかに建設的ではないね。
じゃあさ、今度そのオルタナティヴ、さくっと出してよ(笑)
ちなみに最近の私のモットーは「謙虚であれ」ということで、どんな意見も興味深く拝聴します。
2. Posted by とりとり@管理人   2005年10月28日 23:05
俺は自分自身を日本をフィールドにしている地域研究者だと考えてるから、基本的にはE.T.と立ち位置は同じだと思うよ。ただ俺の場合は、比較政治学ではなく国際政治学を使って外には説明するタイプだから、そこは違うのかな。
オルタナティブ云々は…簡単に出ないからこそ、先生はデメリットを承知の上で授業でも取り上げているわけだよね。そうであれば、その議論のメリットを積極的に吸収した方が有益なのかなと、先週あたりから感じてる。とりあえず来週以降の文献はまだ読んでないから、読んでから考える! 段々、議論自体が精緻化してきてることだしね。
ちなみに最近の俺の座右の銘は「寛容と忍耐」と「低姿勢」(こっちは嘘かもしれない)、知的にストレスが溜まろうが色々な意見を吸収しようと心がけてます。
3. Posted by Riviera   2005年10月29日 00:58
基本的に構想自体に無理がある授業だよ、あれは。
「比較政治」の理論枠組みだけしか読ませないんなら、同じ論点を扱った複数の理論なりモデルを比較検討する授業にするべきだし。
「比較政治」の枠組みが「地域研究」にどう有用なのか考えたいんなら、同じテーマに関する「地域研究」の立場から書かれた本も読まないと分からないに決まってる。
例えば日本政治だったら、Ramseyer & Rosenbluthの本とrational model使ってない日本式(?)でやってる人の本を比較して議論するとか。
先生の話を聞く限り後者をやりたい授業らしいけどね。誰か周りより勉強してる人が「オルタナティブ」をさくっと出したところであんまり授業が有益になるとも思わないな。
あらかじめ「オルタナティブ」を一緒に読ませて考えてきた上での議論が順当でしょ。
それか、読書会みたいにしっかり長所を理解吸収することだけに重点を置くか。俺は苦し紛れにそっちでレジュメ切ったけど。
4. Posted by E.T.   2005年10月29日 07:37
>とりとり
いやー、でもほんとにエントリーのとおり、一コマ一コマだけをみると建設的な授業とはいえないと思うんだ。
だから、どうすればいい議論ができるかなってのは考えていきたいなとは感じててね。
私はゼミの延長みたいなものであの授業はルーティンワークと化しているので、例えば国際政治をやっている人(このカテゴライズは実際そこまで有益ではないのだが)はどういう切り口で議論するのかなー、っていうのはすごく参考になるし、個人的には楽しみなんだ。コストパフォーマンスは悪いかもしれないけど、とりとりの言うようにメリットを最大限吸収するのが基本。
・・・低姿勢ではないでしょ?(笑)そこがまたいいとこだけどね。しかも「清廉」らしいじゃん?(笑)
>Riviera
前回は発表お疲れ様です!実は前からブログ拝見してました。
しかもRivieraさんの体育会?のお友達Sくんは私の中高の同級生っぽいです。
授業に関してはまさにおっしゃるとおりだと思います。本来は一コマの中でそういう比較ができればいいのでしょうけど、あれは半期の中でやった文献がそれぞれ関連づけられるように組まれているんです。
ダール→ハンチントン→リンス→オドネル、ってふうに組んでるのはそのためでしょうね。(回を追うごとに蓄積が増えて議論がしやすくなるはずではある)
だから先生の意図としては、授業では文献の内容を理解したうえであとは個人の興味対象に合わせてそれを比較してみてね、といったところでしょう。

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