いざ大学へ。viva主夫。

2005年09月02日

タイトルっていらない。

今日も再び大学へ。早起きして屋上で水を撒いて、走って、昼までバイトして、そして大学という生活に体が慣れてきた気がする。調子がなかなかいい。

で、長期中断をしていた本を読み終えました↓

船橋洋一『アジア太平洋フュージョン』(中央公論社)
言わずと知れた日本を代表するジャーナリストによるAPEC論。副題に「APECと日本」とあるように、日本外交そのものもテーマの1つとなっている。APECを考察することを通じて、従来は西と東、南と北で分断されていたこの地域の「フュージョン」を描き出している。元々英語で書き下ろしたものを日本語に訳したということもあって、文体や章構成は英語の本そのもの。内容も日本であれば当たり前のことが書かれていたり、等身大の日本を紹介しようという、という筆者の意図が見える。10年前の本ということもあり、その後の歴史を知る我々からすると首を傾げたくなるところもいくつかはある。とはいえ、それによって本書の価値が下がるわけではない。未だAPECの初期に関しては最も優れた文献の1つであることは確かだし、何より豊富な取材に基づき当事者に食い込んだ情報は、この時期にこの著者だからこそ出来たことだろう。確かにアジア金融危機以後、APECはある種の相対化がされただろう。しかし、本書で著者が提示したテーマや問題意識は現在においても十分適切といえるだろう。本書で提示されている「グローバル・シビリアン・パワー」(地球民生大国)という概念は今もって著者の主張する日本の外交像である。これをどう考えるか、添谷芳秀『日本の「ミドルパワー」外交』(ちくま新書)などと読み比べてみると面白いのではないだろうか。

その後、特殊研究でお世話になっている先生に大学院での研究計画その他について相談。銀座に用事があったとのことだからなのだが、八重洲ブックセンター4階の歴史コーナーで待ち合わせ、あの先生らしくていい。

細かい研究テーマの話から、もっと大きな10年単位での研究計画、などについて先生の経験も含めて2時間以上話した。多分、先生にとっては日常の一コマなのだろうが、俺にとってはとても貴重な時間。色々な点で目から鱗が落ちました。えー、具体的な内容は企業秘密ですので、興味があれば個人的に聞いて下さい。いずれにしても、自分が今何をすべきかということがよく分かった。

ちなみに今日は9月2日。60年前に重光葵がミズーリ艦上で降伏文書に調印した日、つまり外交史的には「あの戦争」が終わった日だ。が、これといって注目すべき報道は無かった。『8月15日の神話』で指摘されている状況は改善される見込み無し。

at 23:48│Comments(0) 本の話 

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