2005年06月26日

休日。

予定では今日現代アフリカ論のレポートを終わらせている予定だった…が、読書して映画観て…気付いたらとてもいい休日。観たのは”ミリオンダラー・ベイビー”。映画はネタばれに注意したいのであまり書くことはないんだけど、良くも悪くもクリント・イーストウッドらしい映画だった。俺は満足。

一気に読み終えたのが↓

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細谷雄一『大英帝国の外交官』(筑摩書房)
表題にあるように本書のテーマはイギリスの外交官。ストレイチーによって確立された「複数の人物を並べて論じる」評伝となっている。取り上げられているのは、ハロルド・ニコルソン、E・H・カー、ダフ・クーパー、アイザイア・バーリン、オリヴァー・フランクスの5人。この5人をそれぞれ論じるだけではなく、初めにイギリス外交の成り立ち(外務省の発展過程など)を論じているので、前提としての知識はあまり求められない。筆者は「一般向けの読み物」として本書を執筆したというが、納得の分かりやすさと面白さである。引き入れられるように一気に読み終えた。評伝という形式は、人物を論じることによって背景にある歴史そのものも論じることになるのだが、本書にもそのよさは大いに生かされている。それぞれの人物がほぼその活躍した時代の順に並べられていることから、旧外交から新外交へと移り変わる時代が見事に描き出されている。あえて難点を挙げるとすれば「バランス」だろうか。ニコルソンについては「旧外交→新外交」という本書のテーマに重なるからか、かなりの紙幅が割かれている一方、バーリン、フランクスについては哲学者時代が描かれないからかやや尻切れトンボの印象がある。バランス、面白さという点ではクーパーの章が出色だろう。これまでのイメージを変えてくれる、という意味で面白いのがカーの章だ。抑えられた筆致ではあるがカーの二元論的思考を筆者は痛烈に批判しその限界を指摘している。『危機の二十年』『歴史とは何か』などの印象のみでカーを考えがちな日本人にとっては新鮮な視点だ。再度、熟読したい1冊である。

以上、徒然なるままに感想を書いたが、とにかく「外交」について考えたい学生にとっては必読書となるべき1冊。読み物としても面白いです。後期の授業が楽しみだ。

at 23:14│Comments(0)本の話 

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