ゼミ~。脳みそ筋肉痛。

2005年05月12日

発表発表発表。

俺のGWを台無しにしてくれたのが、今日の発表。その成果がどうかといえば、それは発表を聞いてくれた人に聞くしかないわけだけど…まぁ、とりあえず一日を振り返りたいと思います。

・1限、国際政治経済論特殊研究

この授業は”Foreign Policy”から記事をいくつか扱う。今週はChina Rising特集、俺の担当は”WHY CHINA GROWING SO SLOWLY?”と”A GRAND CHESSBOARD”の2本。1本目は投資家向け情報といったところだろうか。中国の経済成長が特段驚異的なわけでもなく様々な成長阻害要因(約65兆円の不良債権とか!)もあるが、中国の成長はまだ中途段階である。というのが大きな流れで、先生によれば「現在の中国の経済情勢についてのオーソドックスな見方」とのこと。2本目は中国の「平和台頭論」について。今回読んでの印象は、雑誌は難しい、ということ。学術論文と違い、”Foreign Policy”のような雑誌は不特定多数の読者を想定している。どんなメッセージがその記事に隠されているのか読み取ることは学術論文以上に難しい。これは日本語でもそうなんだけどね。とりあえず今、友人の言葉を借りれば「英語の過剰摂取」で少し頭が痛いです。

2限、西洋外交史特殊研究

ピーター・クラーク『イギリス現代史』第4章~第6章。時代は1922年~1945年。俺は討論者ということで、内容を踏まえた上でディスカッション・ポイントを示すという役所。色々と考えたのだが、外交史の授業で現代史全体を包括している本書(外交史・政治史・社会史・経済史・文化史などが幅広く扱われている)を扱う意味を考えて、イギリス外交における国内要因を考えることにした。議論をしやすくするために「宥和政策」をそのテーマにした。大まかな流れは「宥和政策はとかく批判されがちであるが、その背景には国力が低下し全敵対勢力と相対することが出来ない、という当時のイギリスの状況や、戦争を回避したいというイギリス国民の雰囲気があった、ということを考慮すべきではないか」ということ。ちなみに俺はこの分野は去年の三田祭でかなり調べたんだけど、宥和政策には批判的、これは稿を改めて検討したい。というわけで、これは議論が結構盛り上がるんじゃないか、と期待したんだけど、あまり盛り上がらず。う~ん、テーマ設定があまりよくなかったのだろうか。でも戦間期のイギリス外交で宥和政策以上に議論が白熱するテーマはないだろう。まだ受講者が様子見をしているのだろうか。昨年後半から感じていたのだけど、この授業、実は先生がすごくコメントを工夫している。学生の発言に対して、その発言から抜け落ちている要素をうまく突いて、そこが次の議論のポイントになるように誘導している。かといって先生が全てを言ってしまうわけではない。先生はあくまで1つ要素を付け加えるだけでわざと議論に「穴」を作っている。この辺を何人かの学生が気付くようになると授業全体も活性化するのだろう。

4限、東アジアの国際関係特殊研究

この授業は何か1冊の本を輪読するのではなく、各自の研究発表を行う。俺のテーマは「ポスト米中接近の東アジア国際関係」。といっても具体的な事件やアクターを扱ったわけではなく、今回は具体的な研究に入る前の問題意識の整理のために、米中接近が東アジアの国際関係に与えた影響を冷戦終結などと比較しながら論じた。論争的なのは「現在の東アジアの国際関係の潮流を考えると、その原点は冷戦終結ではなく、米中接近にある」というもの。これは何も冷戦終結が重要でないと言っているわけではない。米中接近が東アジアの国際関係に与えた影響がいかに大きかったか、ということを主張したかった。米中接近の影響を考えるということ自体は、この地域を研究する上ではオーソドックスなことだろうし、しかも分析対象を絞っていないなど消化不足は明らかなんだけど、今回の発表は俺なりに結構苦心した。これは分かる人には伝わったと思う。先生は俺のこういった問題意識を大筋で理解してくれたように感じる。俺は東アジアに限定して考えたこのテーマを、より広く世界全体に広げても使えるかもしれないとコメントしてくれた。後期は日本外交史の特殊研究でお世話になるが、とても楽しみだ。というわけで、この発表は俺としては結構満足した。ん~、でもやっぱりもっとうまくプレゼン出来たろうし、もっとみんなにうまく自分の考えていることを伝えなくてはならないんだろう。俺の後は、サークルでも仲良くしている友人が発表した。テーマは「朝鮮半島から見た米中接近」。これ以上詳しくは著作権の問題もあるので紹介できません(笑)。彼の場合は問題意識がはっきりしている分、いいリサーチが出来る予感がする。ただ俺とは逆に分析対象が絞れている分、問題意識の相対化が必要なんだろう。この授業、予想以上に面白い。歴史的な発表が前半に固まってしまっているのが残念。

以上で発表終了。熱っぽかったので、初めて外国語学校の授業を休んで、帰宅。ほんとに疲れました。

at 20:01│Comments(0) アウトプット(?) 

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ゼミ~。脳みそ筋肉痛。